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ミラノ・スカラ座版《West side story》の初日直前記事(2003.7.1)と"Archivio La Scala"からの写真 ["West side story"スカラ座/CD]

2003年 ミラノ・スカラ座版《West side story》の話題を二つ。

1) 第一ブログでミラノ・スカラ座の過去の公演記録がオンラインで検索可能になったことを記事にしましたが、《West side story》の写真を頂いてきました。解像度が高くない上に"Teatro alla Scala"の巨大なロゴがどーんと真ん中にあります。

2) プレミエ直前の記事を見つけました。グリゴーロのコメントも掲載されていますので、一部を要約しました。
◎《West side story》に関する2003年7月1日の記事:


 7月3日からミラノ・スカラ座(アルチンボルディ劇場)で"West side story"が上演される。Jerome Robbinsのミュージカルで、ミラノ・スカラ座では、すでに3年前に上演されていて、観客は評価したが、評論家たちは好意的でない判断をくだした。
 今回のキャストは、モンセラート・カバリエの娘Monserrat Martì(マリア役)を除いて、すべて一新され、イスラエル出身のChen Reissとロシア出身のEkaterina Solovievaがマリア役に加わった。Ekaterina Solovieva が3日水曜日のプレミエでデビューする。相手役のテノールはヴィットリオ・グリゴーロ(第二キャストはMichael Sommese)。この公演は同じキャストで、レバノンと日本でも上演する予定で、オーストラリアには、研修ツァーを行う。
 グリゴーロは『オペラのテノール歌手にとって......簡単ではありません.........』と言った。『これは、僕にとっても皆にとっても挑戦です。僕はダンスもやりますよ...だって、まだ太ってないから.....』とグリゴーロは、皮肉っぽく強調した....『この公演は、細部のディテールにもこだわっていて魅力的です。』
 イスラエル出身のChen Reissは、残念なことにレバノンのツァーには参加出来ない。イスラエルは中東へのパスポートの発行を認めていないからだ。 グリゴーロは『音楽は、皆を一つに団結させるすはずなのに、それに反している.....』と残念がった。(2003.7.1 全文


★"Archivio La Scala"からの舞台写真(クリックすると拡大)
これだけ解像度が低い写真の真ん中にロゴマークをいれなくてもいいんじゃないかな....邪魔。

関連記事:
《ウェスト・サイド・ストーリー》トニー:ミラノ・スカラ座2003
["West side story"スカラ座/CD]
TEATRO.pdf

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オペラ歌手のトニー...ホセ・カレーラスとヴィットリオ・グリゴーロ... オペラ歌手とミュージカル ["West side story"スカラ座/CD]

 ネットを散策していて、ヴィットリオ・グリゴーロのことをミュージカル歌手と決めつけている人たちがいるのにちょっと吃驚。グリゴーロが、ミュージカルといえるものに出演したのは、2003年ミラノ・スカラ座の《ウェストサイド物語》だけです。なのになぜでしょう....本人もインタビューの度に、「僕のキャリアは、オペラだけ....」と言っているのに。多分、オペラ関係のCDがリリースされていないからでしょうね。"Pop Opera's"のアルバム"In The Hands of Love" と "West Side Story 2007"だけですから。

 

 ところで、"有名"オペラ歌手のトニーといえば、ホセ・カレーラス、もちろん録音だけですが、作曲者のバーンスタインが全曲録音を行ったことでも価値のある録音です。その時のレコーディングのメイキングがとても面白いんです。カレーラスは英語に四苦八苦、バーンスタインはスタッフに八つ当たりするし......ミュージカルナンバーはほとんどのオペラ歌手が歌っていますが、全曲となると難しい面がいろいろあるようです。

 『スペイン語を母国語とする僕がニューヨークっ子を演じる...これはむずかしいよ、性格や雰囲気を出すのがね....むずかしいのはアクセントだけじゃなくて音楽そのものもね....たとえば最初の曲"Somthing Caming"だが言葉が多いのに音楽のテンポが早い...あれが一番むずかしかったかな....』とカレーラスが語っています。(左上の写真をクリックするとビデオクリップにリンクしています)
 1984年ですから、カレーラスは38才でオペラ歌手としてすでに超売れっ子でしたから、ちょっとミュージカルに挑戦してもなんの批判もされないし、しかもバーンスタイン自身の指揮でしたし。

 グリゴーロの場合は、ミラノ・スカラ座の《ウェストサイド物語》に出演したのは、2003年26才の時です。19才からオペラ歌手として舞台に立ち、その当時は《愛の妙薬》のネモリーノを歌って評価されていましたし、有望な若手テノールとして多いに期待されてもいましたが、まだまだこれからという時でした。この《ウェストサイド物語》をきっかけに、ポップスにも足を踏み入れることになり、それが大成功してしまったので、オペラ歌手としての評価がどこかにすっ飛んでしまったんでしょうね。しかし、2007年からローマの《椿姫》、ワシントン・ナショナルオペラの《ボエーム》、ミラノ・スカラ座の《ジャンニ・スキッキ》、ジュネーヴ大劇場の《ドン・カルロ》、チューリヒの《椿姫》《ルチア》、ワシントン・ナショナルオペラの《ルクレツィア・ボルジア》、バレンシアの《ファウスト》.....とどれも好評で、話題にもなりましたが、それでもミュージカルだのクロスオーバーだのと言われるということは、所詮、生舞台での成功は、それほど普遍的効果は無いということなのでしょうか。

 オペラ歌手が、皆、ミュージカルを歌える素質があるとは限らないようで、グリゴーロのことを「ミュージカルも歌えるオペラ歌手」とか「オペラ歌手なのにミュージカルも歌える」...と紹介している記事もありました。エツィオ.ピンツァは、両方で成功したバス歌手ですが、チェーザレ・シェピは、ミュージカルで有名になるのが夢だったそうですけど、うまくいかなかったようですし、ルッジェーロ.ライモンディもブロードウェイに誘われたが断ったとか....いろいろあるようです。

 右上の写真をクリックすると《ウェストサイド物語》のグリゴーロのトニーの歌「サムシング・カミング」と「ワン・ハンド、ワン・ハート」にリンクしています。このCDのマリアは、ピュア・ヴォイスが売りの人気の歌姫ヘイリー・ウェステンラ Hayley Westenra(1987.4.10- )ですが、単調で物足りない.....。この《ウェストサイド物語》ブロードウェイ初演50周年記念アルバムの紹介文に、「クラシカル・クロスオーバーのスター」と書かれていますが、「オペラ歌手」と書いて欲しいですね。

 グリゴーロは、2011年にミラノ・スカラ座で《ロメオとジュリエット》に出演予定ですが、《ウェストサイド物語》は、現代ニューヨーク版のロメオとジュリエットですから、それを意図した出演依頼なのかしら......

☆ホセ・カレーラス José Carreras 1946.12.05ーバルセロナ

関連記事:《ウェスト・サイド・ストーリー》トニー:ミラノ・スカラ座2003
カトリックのテレビ番組にゲスト出演 

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《ウェスト・サイド・ストーリー》トニー:ミラノ・スカラ座2003 ["West side story"スカラ座/CD]

バーンスタイン作曲《ウェスト・サイド・ストーリー》ミラノ・スカラ座 2003年7月3〜19日 
(2000年7月のブロードウェイ・ミュージカル《ウェスト・サイド・ストーリー》ミラノ・スカラ座バージョンの再演)


ドナルド・ウィング・チャン指揮
ジョーイ・マクニリー演出/振付
(原演出:Paul Gallis演出、Gap Clothes衣裳、ジェローム・ロビンス振付け)

主なキャスト:
トニー:ヴィットリオ・グリゴーロ
マリア:Ekaterina Solovyava
アニタ:ソランジェ・サンディ Solange Sandy
ベルナルド:ホアン・ベタンクール Juan Betancur
リフ:カール・ウォール Karl Wahl
エニィボディズ:Betina Hershey
ドック:Herman Petrus
クラプキ:David sibkus

←写真:左からマリア、トニー,アニタ

※グリゴーロは、この後、日本(東京,名古屋,大阪,福岡)とレバノンの首都ベイルートのBeiteddine Festival の6週間に及ぶツアーに参加。トニーとマリアはオペラ歌手のトリプル・キャスト。
キャスト詳細はつかめませんでした。2、3ネット上で、鑑賞記録を見つけましたが、どうやら、いつ誰がどこで歌うかは、不明だったようです。つまり、グリゴーロが歌う日に当たるかどうかは、その場にならなければわからないという状態、ミュージカルってそういうものなのかな.....
Beiteddine Festivalの日程:2003年7月23,24,25,26,27日
日本公演の日程:
2003年8月13,14,15,16,17 9月2,3,4,5,6,7,9,10,11,12日(オーチャード・ホール) 9/7(日)グリゴーロ出演
2003年8月19,20日( 福岡サンパレス)
2003年8月22,23,24,26,27日(大阪フェスティバルホール)
2003年8月29,30,31日(愛知県芸術劇場)

トニーとマリアのキャストを教えてもらいました。組み合わせは、様々だったそうです。Mrs.Fairfaxさん、ありがとうございます。
Tony :Vittorio Grigolo/Michael Sommese/ Fredric Strid
Maria:Montserrat Marti(カバリエの娘) /Chen Reiss/ Ekaterina Soloveva
グリゴーロとChen Reissがニュースステーションに出演したそうです。(2008.7.2追記)

★レビュー:
ミラノ:3年前のスカラ座バージョン《ウエストサイド・ストーリー》の再演大成功! オペラとミュージカルの壁は結果的に崩れたようだ...
(以下、l'operaよりトニー役のヴィットリオ・グリゴーロの部分の抜粋)
トニー役のすっごく若くて、有望なオペラ歌手、テノールのヴィットリオ・グリゴーロ のデビューが見どころだ。感じが良くて人を惹き付ける演劇的存在感によって、また、《ロメオのような》役柄のロマンティックな情熱を持った点でも完璧なグリゴーロは、初っ端の強い感情が充分に伝わってくる《何か起こりそう"Something's Coming"》の歌に続いて、更に良くなり、柔軟で滑らかな訓練された声を誇示した。《マリア"Maria"》から《トゥナイト"Tonight"》に至るまでのクライマックスは、何も欠けているものがなかった。それは、素晴しい出来だったし、何よりも、英語の発音は、歌だけでなく台詞の部分でも、うらやましいほどの出来だった。

余談:グリゴーロの英語のディクションはイマイチという批評も見かけましたが、まあ、イタリア人にしては上出来ということだと思います。バーンスタインがカレーラスを英語の発音でいじめていたのを思い出します......。
ところで、2000年の初演の時のトニーは、David Millerというアメリカ人歌手だったようです。それで、このDavid Millerは、男性4人組の"Il Divo"のメンバーなんです。2003年12月に結成だそうですから、彼も、それまでは、そこそこオペラにも出演していたようですが、見切りをつけて乗り換えたということなんでしょうね。いかにもアメリカ人だと思います。私は、ソリストが大好きなので、4人組には全然関心がないのですが....ちらっと聞きましたが、カルーソーとか4人で歌われてもなぁ.....困っちゃうよね。

関連記事:ブログ別館《ヴィットリオ・グリゴーロ》開設 ★☆VideoClip
2007年のミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」のブロードウェイ初演50周年記念アルバムの紹介と《トゥナイト》と《マリア》の一部も視聴できます。このCDの宣伝用VideoClip



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