ロッシーニ の"Stabat Mater"(2004.4.7ローマ) BBC-Radio3で7日間オンデマンド放送 ["Stabat Mater" Rossini]
◎グリゴーロ・ハイライト
先日ブログでお知らせしましたが、ヴィットリオ・グリゴーロの《スタバト・マーテル》が聞ける....というのではりきってましたが、びっくりしました....午前2時からだけど早めに1時15分頃に BBC-Radio3に接続したら、グリゴーロのあの声が聞こえるではないですか....28日から夏時間(日本とイギリスとの時差が8時間)になるというのは、夕方には知っていたのですが、なぜかイギリスは関係ない!と思い込んでいたんです。これは大失敗、一番いいところが数行聞けなかったし、途中からしか録音もできなかったし......あぁぁ〜.....しかし、 BBC-Radio3のページの右の方を見ると、EBU Day: Music for Holy WeekのPart1が「7日間オンデマンド」で聞けるという表示があるではないですか......だとすれば当然Part2もオンデマンドで試聴できるはず...よかったぁ......うっかり者にも親切なBBC-Radio3さんに感謝です。オンデマンドですと、好きなところから自由に聞けますしね。
1981年のジュリーニ指揮とはかなりテンポが違います。ジェルメッティが早いのか、ジュリーニが遅めなのかは知りませんが.....グリゴーロの歌唱は、けっこう独特、際立っています。
テノールのソロ"Cujus Animam"にはハイD(Re)♭がありますが、グリゴーロは弱音で歌っています。弱音で歌っているのはめずらしい.....ほとんどのテノールがヒィーっと必死でD♭を普通の声で歌っていますが、弱音で消えるように歌うのもいいと思います。
部分的にMP3でアップしました。全曲聞きたい方は、今ならオンデマンド(7日間)でどうぞ。
★ロッシーニ《Stabat Mater》2004年4月7日 ローマのBasilica di Santa Maria sopra Minerva
☆Score-Stabat_Mater-Rossini-1〜6.pdf ☆Score-Stabat_Mater-Rossini-7〜10.pdf
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BBC-Radio3でロッシーニ の"Stabat Mater"放送:2004年4月7日ローマで収録
シドニー交響楽団:ロッシーニ・ガラ《スタバト・マーテル》
特別仕様のテノール Vittorio Grigolo(2004.5.10)
先日ブログでお知らせしましたが、ヴィットリオ・グリゴーロの《スタバト・マーテル》が聞ける....というのではりきってましたが、びっくりしました....午前2時からだけど早めに1時15分頃に BBC-Radio3に接続したら、グリゴーロのあの声が聞こえるではないですか....28日から夏時間(日本とイギリスとの時差が8時間)になるというのは、夕方には知っていたのですが、なぜかイギリスは関係ない!と思い込んでいたんです。これは大失敗、一番いいところが数行聞けなかったし、途中からしか録音もできなかったし......あぁぁ〜.....しかし、 BBC-Radio3のページの右の方を見ると、EBU Day: Music for Holy WeekのPart1が「7日間オンデマンド」で聞けるという表示があるではないですか......だとすれば当然Part2もオンデマンドで試聴できるはず...よかったぁ......うっかり者にも親切なBBC-Radio3さんに感謝です。オンデマンドですと、好きなところから自由に聞けますしね。
1981年のジュリーニ指揮とはかなりテンポが違います。ジェルメッティが早いのか、ジュリーニが遅めなのかは知りませんが.....グリゴーロの歌唱は、けっこう独特、際立っています。
テノールのソロ"Cujus Animam"にはハイD(Re)♭がありますが、グリゴーロは弱音で歌っています。弱音で歌っているのはめずらしい.....ほとんどのテノールがヒィーっと必死でD♭を普通の声で歌っていますが、弱音で消えるように歌うのもいいと思います。
部分的にMP3でアップしました。全曲聞きたい方は、今ならオンデマンド(7日間)でどうぞ。
★ロッシーニ《Stabat Mater》2004年4月7日 ローマのBasilica di Santa Maria sopra Minerva
ソリスト Darina Takova (soprano) Laura Polverelli (contralto) Vittorio Grigolo (tenor) Roberto Scandiuzzi (bass) Rome Opera Chorus/Rome Opera Orchestra Gianluigi Gelmetti (conductor) |
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら |
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BBC-Radio3でロッシーニの"Stabat Mater"放送:2004年4月7日ローマのBasilica di Santa Maria sopra Minervaで収録 ["Stabat Mater" Rossini]
◎オンデマンドで7日間聴くことができます。(2010.3.29)
◎日本時間では、29日(月曜日)午前1時からの放送です。(2010.3.28)
★BBC-Radio3 - EBU Day: Music for Holy Week/2010年3月28日(日曜日)17:00(ロンドン時間)
ローマの Basilica di Santa Maria sopra Minervaで2004年4月収録
ソリスト:Darina Takova (soprano), Laura Polverelli (contralto) ,Vittorio Grigolo (tenor) ,Roberto Scandiuzzi (bass), Rome Opera Chorus, Rome Opera Orchestra, Gianluigi Gelmetti (conductor)
Radio 3 celebrates Holy Week with a day of live and pre-recorded concerts from around Europe. Including a rare chance to hear Frank Martin's oratorio Golgotha from Madrid, Orthodox chant live from Sofia, Rossini's Stabat Mater from Rome, and Elgar's Dream of Gerontius live from Dresden.
今年、2010年の復活祭は4月4日だそうです。ヨーロッパ各地では、来週は、聖週間ということで、いろいろお祝いの行事があるようです。BBC-Radio3では、28日に聖週間にちなんでに復活祭特別番組として、ヨーロッパ各地からのライブ(すでに録音済み)を放送します。その中の一つに、ヴィットリオ・グリゴーロがテノールのパートを歌っているロッシーニ作曲の《スタバト・マーテル》が放送されます。
これは、2004年5月のインタビュー記事で、語られていた演奏なんですが、まさかこれを聴く事ができるとは思ってもいませんでした。グリゴーロの《スタバト・マーテル》は、子供時代にバチカンで勉強していて、こういうラテン語の宗教曲はお手の物だと思いますが、2007年のオーストリア公演では、素晴らしい才能だが感情過多で、セクシー過ぎ...なんて批評もありましたので、ぜひ聞いてみたいと思っていました。BBCで放送ということは、6月にコヴェントガーデンで《マノン》に出演することになっていますので、《マノン》効果ということでしょうか.....非常に嬉しいです。
◎Stabat Mater di Rossini diretto da Gelmetti (3 aprile 2004) - Corriere della Sera
Per i Concerti dello Spirito, mercoledì nella Basilica di Santa Maria sopra Minerva sarà eseguito lo Stabat Mater per soli, coro e orchestra di Rossini. Dirige Gianluigi Gelmetti, maestro del coro Andrea Giorgi; solisti Darina Takova, Laura Polverelli, Vittorio Grigolo, Roberto Scandiuzzi. Sarà possibile ritirare i biglietti d' invito, da oggi presso il Teatro dell' Opera dalle ore 9 alle 17, fino ad esaurimento posti. Non sarà possibile ritirarli presso la Basilica. SANTA MARIA SOPRA MINERVA mercoledì ore 21
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特別仕様のテノール Vittorio Grigolo(2004.5.10)
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ローマの Basilica di Santa Maria sopra Minervaで2004年4月収録
ソリスト:Darina Takova (soprano), Laura Polverelli (contralto) ,Vittorio Grigolo (tenor) ,Roberto Scandiuzzi (bass), Rome Opera Chorus, Rome Opera Orchestra, Gianluigi Gelmetti (conductor)
Radio 3 celebrates Holy Week with a day of live and pre-recorded concerts from around Europe. Including a rare chance to hear Frank Martin's oratorio Golgotha from Madrid, Orthodox chant live from Sofia, Rossini's Stabat Mater from Rome, and Elgar's Dream of Gerontius live from Dresden.
今年、2010年の復活祭は4月4日だそうです。ヨーロッパ各地では、来週は、聖週間ということで、いろいろお祝いの行事があるようです。BBC-Radio3では、28日に聖週間にちなんでに復活祭特別番組として、ヨーロッパ各地からのライブ(すでに録音済み)を放送します。その中の一つに、ヴィットリオ・グリゴーロがテノールのパートを歌っているロッシーニ作曲の《スタバト・マーテル》が放送されます。
これは、2004年5月のインタビュー記事で、語られていた演奏なんですが、まさかこれを聴く事ができるとは思ってもいませんでした。グリゴーロの《スタバト・マーテル》は、子供時代にバチカンで勉強していて、こういうラテン語の宗教曲はお手の物だと思いますが、2007年のオーストリア公演では、素晴らしい才能だが感情過多で、セクシー過ぎ...なんて批評もありましたので、ぜひ聞いてみたいと思っていました。BBCで放送ということは、6月にコヴェントガーデンで《マノン》に出演することになっていますので、《マノン》効果ということでしょうか.....非常に嬉しいです。
◎Stabat Mater di Rossini diretto da Gelmetti (3 aprile 2004) - Corriere della Sera
Per i Concerti dello Spirito, mercoledì nella Basilica di Santa Maria sopra Minerva sarà eseguito lo Stabat Mater per soli, coro e orchestra di Rossini. Dirige Gianluigi Gelmetti, maestro del coro Andrea Giorgi; solisti Darina Takova, Laura Polverelli, Vittorio Grigolo, Roberto Scandiuzzi. Sarà possibile ritirare i biglietti d' invito, da oggi presso il Teatro dell' Opera dalle ore 9 alle 17, fino ad esaurimento posti. Non sarà possibile ritirarli presso la Basilica. SANTA MARIA SOPRA MINERVA mercoledì ore 21
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シドニー交響楽団:ロッシーニ・ガラ《スタバト・マーテル》
特別仕様のテノール Vittorio Grigolo(2004.5.10)
シドニー交響楽団:ロッシーニ・ガラ《スタバト・マーテル》 《セビリアの理髪師》伯爵のセレナーデ ["Stabat Mater" Rossini]
ロッシーニ・ガラ:シドニー・オペラハウス・コンサートホール 2007年5月17,19日
ジャンルイジ・ジェルメッティ指揮
シドニー交響楽団
Members of Opera Australia合唱団、Sydney Philharmonia合唱団
ソリスト:
アンナ・リタ・タリエント(ソプラノ)
ダニエラ・バルチェッローナ(メゾソプラノ)
ヴィットリオ・グリゴーロ(テノール)
ロベルト・スカンディウッツィ(バス)
プログラム:
・セミラーミデ序曲
・エジプトのモゼ:モゼの祈り"Dal tuo stellato soglio"(バス独唱)
・セビリアの理髪師:Se il mio nome saper voi bramate (テノール独唱)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
・セミラーミデ:二重唱"Ebben, a te, ferisci"(ソプラノ、メゾ)
★スタバト・マーテル
(プログラム)
右の写真をクリックするとシドニー交響楽団HPのこのガラコンサートの紹介記事にリンクしていますが、ヴィットリオ・グリゴーロが来るぞ〜とスター扱いです。
オペラだけでなく、ポップス(ポペラ)歌手としても世界的であること、オペラに関しては、13才で《トスカ》の羊飼いの役でデビュー、その後、多数の奨学金を受け、2000年には弱冠23才で、ミラノ・スカラ座にもデビューして、若いテノール歌手として注目をあびている.....と他の歌手そっちのけで紹介しています。
前年の10月に"Hands of Love"の販売促進ツアーで、すでにシドニーを訪れていて、その時の記事"Italy's 'Little Pavarotti' sings in poppo voce"(2006.10.24)は、なかなか面白いです。
「彼は、オペラもポップスも歌うハイブリッド歌手、つまり"popera"歌手として知られていたい。クロスオーバーではない.....ポップスも歌うが、明日はリゴレットを歌うことができる....ヴィットリオが、クロスオーバー歌手だと言うならば、僕の経歴もオペラも消すことになる....シドニーに来る前に、アメリカでドミンゴと会って、ワシントンDCで《ボエーム》、ロサンゼルスで《コジ・ファン・トゥッテ》を歌う契約をした.....」あとは、リンク先でどうぞ。
★レビュー:Gelmetti's fine staging of the sacred
テノールのビットリオ・グリゴーロは、イル・ディーヴォに参加の誘いを断って、自らのポペラのソロアルバムを録音するなど、四人のソリストのうちで最高のプロフィールを備えている。
彼はものすごく外向的で陽気な演奏者だった。豊かな色彩感あふれる声質、感動でぞくぞくさせられる力強さと優美でダイナミックなコントロールを示した。
グリゴーロはジェルメッティのギター伴奏で、セビリアの理髪師の一幕から伯爵のカンツォーネを歌った。それは熱くウィットに富んでいた。しかし、《スタバト・マーテル》のアリアは、不明瞭なディクションと感性のないフレージングによって台無しになった。それはまた、演奏の限界を露呈した。とにかくこのアリアは悲しみの表現であって、女を誘惑するためのものではないのだ。
ますます聞いてみたいです.....
★レビュー:Sydney Morning Herald, May 19-20 2007
しかし、この公演でだれにもまして人気者だったのはテノールのヴィットリオ・グリゴーロだった。グリゴーロがカーテンコールでの花束を贈ったご婦人とは大いに意見が一致するところだろう。彼は天性の才能のままに《スタバト・マーテル》を歌った。表現過多だった。高音域では、愛想をふりまき、セクシーに、盛り上げ、低音域では大人しくなった。
セクシーな《スタバト・マーテル》....聞いてみたいなぁ...
★レビュー:Sydney Symphony Gala: Rossini Stabat Mater(2007.5.19)
個人のブログですが、このレビューがグリゴーロ崇拝フォーラムで波紋をおこしたということですので、取り上げてみました。
『グリゴーロについては判断保留状態。疑問の余地のある(そして、安っぽい)クロスオーバーのキャリアはともかくとして、彼には間違いなく本物の声がある。しかし、彼もまたこのこと(声があること)と、私から見れば、楽しくやっているというよりは、計算しているようにみえるような悪ふざけをするなど、彼の聴衆の一部に対する彼の影響力に気がついているが、ちょっと自覚しすぎているようだ(つまり、いい気になっているといいたいんでしょう)彼の"Se il nome saper voi bramate"は、非常に美しかったが、演奏が続くにつれて、彼が一つ一つの音符を最高にうっとりさせようとして絞り出すように確定するのと、同様に、落ち着かないフレージングと頻繁に激しく息を吸い込むことの原因となっている、彼の張りつめた、感傷的な歌唱に飽きてきた。他の人が歌っている間、楽譜のページをぱらぱらめくったり、額をぬぐったり、ジャケットをいじったりするなど、じっとすわっている能力の欠如も、私を味方にできなかった原因だ。オペラの演出家はこういうちょっと躁状態のエネルギーを効果的に利用することができるのだろうけど、コンサートでは彼の態度は、私には場違いに思えた。』
これは、クラシック愛好者のいやらしさがにじみ出てますね。グリゴーロのフォーラムがショックを受けたのは、最初のクロスオーバーのところでしょう。あとの、ごそごそ落ち着きがない...というのは、ま、事実でしょうから。でも、これを書いた人は、グリゴーロばかり見てたってことじゃないですか!
《スタバト・マーテル》には、はてな?だった音楽評論家さん絶賛、コチコチのクラシック愛好家のブロガーには声がいいのを自慢し過ぎとかで不評の《セビリアの理髪師》のセレナーデが、Youtubeにアップされています。
♪伯爵のセレナーデ「私の名が知りたければ」
この演奏にはちょっとした趣向があって、グリゴーロは、自分が歌う番なのに、突然ジェルメッティに、ちょっと待てってとか言って、バックステージに走って行って上着を脱いで、ギターを抱えて戻って来てたそうです。それが、とってもおかしかった....とファンが報告しています。(こういうのもブロガーさんは気に入らなかったんでしょうね)
このあと、《スタバト・マーテル》の演奏があったわけですが、グリゴーロは、シャツとソックスを替えて出て来たそうです。シャツは黒だったので全身黒、ベルトのバックルが"V"だったとか、ソックスも変えてたとか、ファンの人たちは観察が細かいです。汗を拭いた...というのもファンの報告では、「《スタバト・マーテル》のソロのあと、彼は、とっても汗をかいてたけど、問題ないです!ちゃんと用意してました。ティッシュをさっと取り出して、顔と首と胸?もだったかな、汗を拭きました。」ということです。最後の拍手もすごくて、ヴィットリオがふざけたりして楽しかった....前列のご婦人に自分の花束を渡して、ジェルメッティには、バラの茎を渡したんだそうです。
ポップス系フォーラムでの報告ですが、グリゴーロのポップスのファンたちが、初オペラ、初コンサート鑑賞に行って感想を報告していますが、とてもほほえましいです。グリゴーロが、ポップスの若いファンたちが、オペラを見に来てくれるかも知れない...と言っていますが、そうなっているようです。オペラ愛好家は、彼のポップス活動を無視しているのかもしれませんが、ポップスファンは、彼が出演しているということで、ちゃんと見に行ってるんですよね。
関連記事:
ロッシーニ・ガラ(シドニー)前日のインタビュー(2007.5.16):"Il Divo"のことも....
RRと指揮者(11)カルロ・マリア・ジュリーニスタバト・マーテルVideoClip
シドニー交響楽団
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ソリスト:
アンナ・リタ・タリエント(ソプラノ)
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ヴィットリオ・グリゴーロ(テノール)
ロベルト・スカンディウッツィ(バス)
プログラム:
・セミラーミデ序曲
・エジプトのモゼ:モゼの祈り"Dal tuo stellato soglio"(バス独唱)
・セビリアの理髪師:Se il mio nome saper voi bramate (テノール独唱)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
・セミラーミデ:二重唱"Ebben, a te, ferisci"(ソプラノ、メゾ)
★スタバト・マーテル
(プログラム)
右の写真をクリックするとシドニー交響楽団HPのこのガラコンサートの紹介記事にリンクしていますが、ヴィットリオ・グリゴーロが来るぞ〜とスター扱いです。
オペラだけでなく、ポップス(ポペラ)歌手としても世界的であること、オペラに関しては、13才で《トスカ》の羊飼いの役でデビュー、その後、多数の奨学金を受け、2000年には弱冠23才で、ミラノ・スカラ座にもデビューして、若いテノール歌手として注目をあびている.....と他の歌手そっちのけで紹介しています。
前年の10月に"Hands of Love"の販売促進ツアーで、すでにシドニーを訪れていて、その時の記事"Italy's 'Little Pavarotti' sings in poppo voce"(2006.10.24)は、なかなか面白いです。
「彼は、オペラもポップスも歌うハイブリッド歌手、つまり"popera"歌手として知られていたい。クロスオーバーではない.....ポップスも歌うが、明日はリゴレットを歌うことができる....ヴィットリオが、クロスオーバー歌手だと言うならば、僕の経歴もオペラも消すことになる....シドニーに来る前に、アメリカでドミンゴと会って、ワシントンDCで《ボエーム》、ロサンゼルスで《コジ・ファン・トゥッテ》を歌う契約をした.....」あとは、リンク先でどうぞ。
★レビュー:Gelmetti's fine staging of the sacred
テノールのビットリオ・グリゴーロは、イル・ディーヴォに参加の誘いを断って、自らのポペラのソロアルバムを録音するなど、四人のソリストのうちで最高のプロフィールを備えている。
彼はものすごく外向的で陽気な演奏者だった。豊かな色彩感あふれる声質、感動でぞくぞくさせられる力強さと優美でダイナミックなコントロールを示した。
グリゴーロはジェルメッティのギター伴奏で、セビリアの理髪師の一幕から伯爵のカンツォーネを歌った。それは熱くウィットに富んでいた。しかし、《スタバト・マーテル》のアリアは、不明瞭なディクションと感性のないフレージングによって台無しになった。それはまた、演奏の限界を露呈した。とにかくこのアリアは悲しみの表現であって、女を誘惑するためのものではないのだ。
ますます聞いてみたいです.....
★レビュー:Sydney Morning Herald, May 19-20 2007
しかし、この公演でだれにもまして人気者だったのはテノールのヴィットリオ・グリゴーロだった。グリゴーロがカーテンコールでの花束を贈ったご婦人とは大いに意見が一致するところだろう。彼は天性の才能のままに《スタバト・マーテル》を歌った。表現過多だった。高音域では、愛想をふりまき、セクシーに、盛り上げ、低音域では大人しくなった。
セクシーな《スタバト・マーテル》....聞いてみたいなぁ...
★レビュー:Sydney Symphony Gala: Rossini Stabat Mater(2007.5.19)
個人のブログですが、このレビューがグリゴーロ崇拝フォーラムで波紋をおこしたということですので、取り上げてみました。
『グリゴーロについては判断保留状態。疑問の余地のある(そして、安っぽい)クロスオーバーのキャリアはともかくとして、彼には間違いなく本物の声がある。しかし、彼もまたこのこと(声があること)と、私から見れば、楽しくやっているというよりは、計算しているようにみえるような悪ふざけをするなど、彼の聴衆の一部に対する彼の影響力に気がついているが、ちょっと自覚しすぎているようだ(つまり、いい気になっているといいたいんでしょう)彼の"Se il nome saper voi bramate"は、非常に美しかったが、演奏が続くにつれて、彼が一つ一つの音符を最高にうっとりさせようとして絞り出すように確定するのと、同様に、落ち着かないフレージングと頻繁に激しく息を吸い込むことの原因となっている、彼の張りつめた、感傷的な歌唱に飽きてきた。他の人が歌っている間、楽譜のページをぱらぱらめくったり、額をぬぐったり、ジャケットをいじったりするなど、じっとすわっている能力の欠如も、私を味方にできなかった原因だ。オペラの演出家はこういうちょっと躁状態のエネルギーを効果的に利用することができるのだろうけど、コンサートでは彼の態度は、私には場違いに思えた。』
これは、クラシック愛好者のいやらしさがにじみ出てますね。グリゴーロのフォーラムがショックを受けたのは、最初のクロスオーバーのところでしょう。あとの、ごそごそ落ち着きがない...というのは、ま、事実でしょうから。でも、これを書いた人は、グリゴーロばかり見てたってことじゃないですか!
《スタバト・マーテル》には、はてな?だった音楽評論家さん絶賛、コチコチのクラシック愛好家のブロガーには声がいいのを自慢し過ぎとかで不評の《セビリアの理髪師》のセレナーデが、Youtubeにアップされています。
♪伯爵のセレナーデ「私の名が知りたければ」
この演奏にはちょっとした趣向があって、グリゴーロは、自分が歌う番なのに、突然ジェルメッティに、ちょっと待てってとか言って、バックステージに走って行って上着を脱いで、ギターを抱えて戻って来てたそうです。それが、とってもおかしかった....とファンが報告しています。(こういうのもブロガーさんは気に入らなかったんでしょうね)
このあと、《スタバト・マーテル》の演奏があったわけですが、グリゴーロは、シャツとソックスを替えて出て来たそうです。シャツは黒だったので全身黒、ベルトのバックルが"V"だったとか、ソックスも変えてたとか、ファンの人たちは観察が細かいです。汗を拭いた...というのもファンの報告では、「《スタバト・マーテル》のソロのあと、彼は、とっても汗をかいてたけど、問題ないです!ちゃんと用意してました。ティッシュをさっと取り出して、顔と首と胸?もだったかな、汗を拭きました。」ということです。最後の拍手もすごくて、ヴィットリオがふざけたりして楽しかった....前列のご婦人に自分の花束を渡して、ジェルメッティには、バラの茎を渡したんだそうです。
ポップス系フォーラムでの報告ですが、グリゴーロのポップスのファンたちが、初オペラ、初コンサート鑑賞に行って感想を報告していますが、とてもほほえましいです。グリゴーロが、ポップスの若いファンたちが、オペラを見に来てくれるかも知れない...と言っていますが、そうなっているようです。オペラ愛好家は、彼のポップス活動を無視しているのかもしれませんが、ポップスファンは、彼が出演しているということで、ちゃんと見に行ってるんですよね。
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