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オペラ雑誌 "l'opera"2月号 :バレンシア《マノン》、 メト《ドン・カルロ》《ボエーム》 [マスネ《マノン》バレンシア]

 "l'opera"2月号に、2010年12月に上演されたバレンシアの《マノン》のレビューが掲載されていました(下の左側の画像)。タイトル・ロールのマノンではなく、デ・グリューのヴィットリオ・グリゴーロのことが一番に書かれていますし、グリゴーロについて興味深い記述が....グリゴーロは、過去の偉大なテノールがそうであったようにナルシスト的素質を持っているんだとか、つまり天性のテノール歌手ということ....私も同感です。
 下の右側の画像は、メトの公演の《ドン・カルロ》と《ボエーム》、ボエームは、Bキャストのレビューですからロドルフォはグリゴーロではありませんが、写真はグリゴーロです。画像をクリックすると活字が読める程度に大きくなりますので、興味のある方は、どうぞご覧下さい。

  

★バレンシア:ディヴィッド・マクヴィガー演出の最高に素晴らしい《アイーダ》とメディアの"ニュー・ディーヴォ" ヴィットリオ・グリゴーロ主演の《マノン》でバレンシアの劇場 "Palau des Arte Reina Sofia"のシーズン開幕....../Sabino Lenoci
『このところ世界中の聴衆に称賛を受けている大人気のイタリア人テノール、ヴィットリオ・グリゴーロの演奏は、彼に熱中するメディアの支持もあり、非常に期待されている。そのグリゴーロが、メトロポリタンでの《ボエーム》のロドルフォで成功して戻ってきた。彼は、オペラをいつもの「サロン」から外に広めようとしていることは確かだ。彼は、人を惹き付ける外見と過去の偉大なテノールに見られるナルシシズムの素質を持っている。舞台上では、自分の感情を抑えないし、自分の持っているものすべてを観客に与えることを望む。そのことを、自己中心主義と呼ぶ人もいるし、全力をつくす気前よさと言う人もいる。こういうことを別にしても、私たちは、最高にていねいなフレージングと張りのある成熟した広がりのある声と確実な高音域をもった情熱的で血気盛んなデ・グリューを発見する。しかも登場人物の解釈も優れている。バレンシアの観客は、彼の方向性に熱烈な歓迎で答えた。』グリゴーロの部分を抜粋

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バレンシアでマスネ作曲《マノン》2010.12.9〜30 全7公演


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Kew Gardens

Don Carloの記事紹介ありがとうございました。 圧倒的な存在感といいながら、同国人のFurlanettoに対するコメント、手厳しいですね。 

イタリア人だから指摘できるのかもしれませんが、フレージングがMET(イタリア国外?)ではOKでも、イタリアじゃこのままじゃすまない?! そういえば、昨年6月のウィーン国立歌劇場のホレンダー退任ガラの時、Fillipoのアリアをフランス語版のほうで歌っていました。 何かあるのかしら? 

多少の声の粗さは致し方ないとしても、今回のMETでは、絶賛の言葉しかレビューで見なかったFurlanettoだったので、とても興味深かったです。 主に欧米人のレビューなので、この記事のような”イタリア語”、”イタリア的”な観点でというのは批評家でもわからなかったでしょうし、我々読者の理解の域こえちゃいますけれど。

グリゴーロ君とは何も関係ないことで、失礼しました。 
by Kew Gardens (2011-03-07 23:18) 

keyaki

Kew Gardensさん
イタリアの雑誌なんで、同国人ですし、ベテランですから厳しいということもあるでしょうね。私は、フルラネットの声は好みではないので、こういうのをtimbro morchiosoというんだ...と納得でした。
タイトルロールのアラーニャは、ずいぶんさらりと簡単すぎだし、ポプラフスカヤは、新人なので甘いかんじだし、エボリのメゾさんは力不足というのは一致してるのかな。

>Fillipoのアリアをフランス語版のほうで歌っていました
そうなんですか....フランス語版に出る予定でもあるのかもしれませんね。数年前にシュロットがアリア集を出しましたが、フィリッポのアリアとか、プロチだのアリアをフランス語版で歌ってたんですが、これはイタリア語だとあらが目立つからだな...と思いました。


by keyaki (2011-03-08 00:12) 

Sardanapalus

>バレンシア:ディヴィッド・マクヴィガー演出の最高に素晴らしい《アイーダ》
私もグリゴーロと関係のないところで突っ込んですみません。このアイーダ、ROHでは批評家達から大不評だったんですが、この方は気に入ったということでしょうか?バレンシアでは評判が良かったんですか?舞台写真で見ると、かなりエンタテイメントしていて楽しそうなんですけど。マクヴィカー好きなのでこんなところが気になってしまいます(^^)

>私たちは、最高にていねいなフレージングと張りのある成熟した広がりのある声と確実な高音域をもった情熱的で血気盛んなデ・グリューを発見
そうそう、私がROHで聞いたときも、こういう印象でした。グリゴーロはすごく「熱」を持った歌手ですものね。今年も、ますますの活躍を期待しちゃいます~♪
by Sardanapalus (2011-03-08 21:19) 

keyaki

Sardanapalusさん
アイーダのレビューを書いたDavide Garattiniさんは、気に入ったみたいです。一般的な観光的考えを捨てて、このオペラの深い所にあるものに取り組んでいる...とかなんとか。

>ROHでは批評家達から大不評だった
そうなんですか....
でも、下記アドレスのレビューは4つ星だし、最後のところを読むと、いいって言ってるような....ロバート・ウィルソンの名前が出てますけど
http://opera-britannia.com/index.php?option=com_content&view=article&id=289:aida-the-royal-opera-27th-april-2010&catid=8&Itemid=16
ロバート・ウィルソンといえば、グリゴーロがやめちゃったチューリヒの「ノルマ」ですけど、やっぱり全く同じ相変わらずの能面メイクに能もどきの動きのようです。グリゴーロは、演出がいやだからとは言ってませんが、明らかにキャンセルしたのは、演出のせいですね。
メトのファウストもゲオルギューがキャンセルしましたが、ENOの演出がいやだったみたいですよ。
by keyaki (2011-03-09 10:32) 

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