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プラットホームのアルフレード:31才 ヴィットリオ・グリゴーロ(2008.9.30) [インタビュー&記事]

前記事に続き、チューリヒでのインタビュー記事です。《チューリヒ中央駅の椿姫》のプロジェクトが実行される前のインタビュー記事ですが、ヴィットリオ・グリゴーロはこの企画の成功を確信していたようです。

ヴィットリオ・グリゴーロは、ローマでのゼフィレッリ演出の
《ラ・トラヴィアータ》の後、今、二度目のアルフレード役へ


★プラットホームのアルフレード★
ヴィットリオ・グリゴーロ(31)
イタリアの大きな期待のテノール
SF企画の普通じゃない"La traviata"で
目下、アルフレード役を演じている
チューリヒ中央駅のラ・トラヴィアータ
火曜日20:05、SF1/スイスHD/ARTE


流行の白い帽子の下、大きなパイロット眼鏡の後ろに隠れてヴィットリオ・グリゴーロはチューリヒ歌劇場の裏で私を出迎えた。年末にも、このイタリア人テノールはここで「ルチア」の舞台に立つ。ドニゼッティのオペラが彼のドイツ語圏スイスデビューである。Limmatstadt(チューリヒ市内のことらしい)に夢中だ。「ここの人の落ち着き、生活の仕方、が好きです。特に、スイスは一般的に外交上手な国なのがいいです」

4才で魔法にかかった
彼がとりわけ落ち着いていないわけではない。ヴィットリオ・グリゴーロはロサンゼルスに住んでいる。加えて、故郷のローマにアパートを所有している。このロジャー・フェデラー(Roger Federer 1981.8.8生、スイス・バーゼル出身の男子プロテニス選手)の熱心なファンは早い時期からすでにオペラへの愛着を示した。「父の車で初めてオペラを聴いて魅了されたのは、4歳のときでした」魔法が働いたのだ。23歳で最年少のオペラテノールだった。ミラノのスカラ座の新シーズン開幕公演に出演し、短期間のうちにムーティ、マゼール、ガッティなどの著名な指揮者と共に仕事をした。

チャンスは一度だけ
『中央駅の椿姫』でより大きな注目が期待されている。これは、この間の賞を与えられた『二つの運河の魔笛』の後、スイスのテレビの2番目のオペラの大プロジェクトである。今回はdeutsch-französische Kultursender Arteとの共同作業である。平日の通勤者の雑踏がすばらしい芸術と融合し、カフェやプラットホームを含む、駅全体を変える。グリゴーロはこの思いつきにただちに燃え上がった。「僕は常にオペラの魅力と、一般の人々をオペラに近づけることを追究しています。これこそ唯一無比のチャンスです」と、まさに元気一杯だ。これがうまくいくか、彼はすでに感触を得ており、7月半ばの最初のリハーサル現場の興奮を語る。「すばらしかった! 通路を急ぎ足でせかせかと行く人々が、ふと立ち止まって、耳を傾ける・・ 突然完全にリラックスする・・あの音楽だ」 この芸術的かつ技術的挑戦の中に、彼はより大きな刺激と魅力を見る。「映画撮影と違って、オペラ上演では常にチャンスは一度だけだ。オペラはミスを許さない。オペラはライブだ。そして、このことこそが魔法を生むのだ」

オペラだけではない
グリゴーロは常に新しいことに心を向けている。だから、2年前の最初のCD《In the Hands of Love》で、アリアは全然歌わなかったし、様々なポピュラーソングのカバーも見送って、彼が名付けるところの「ポペラ」を歌った。「音楽は僕のコミュニケーション(=聖体拝領)の手段です。オペラに限定したくありません」そこで、次の3月、我々は新しいCDを期待できるのだろうか。「ロックがいっぱい!」 これを強調するために、彼はドラムのばちを取り出して、テーブルの縁をリズミカルに叩いた。インタビューの最後に、グリゴーロのマルチタレントぶりが判明したわけだ。新しいCDにはさらに思いがけないうれしいことが用意されている。「ドミンゴに、ひとつのポップロック作品に参加してもらえることになりました。彼と一緒に歌います。オペラの二重唱ではありません」グリゴーロの能力と成果はもはや相当なものであることは証明されている。だから、今後彼がどんな魔法をみせてくれるか、期待でわくわくさせられる。
マルセル・ヴィッス

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コメント 2

babyfairy

>音楽は僕のコミュニケーション(=聖体拝領)の手段


うーん、やっぱり彼は敬虔なカトリックなんですね。 さすがカトリックの本山で歌っていただけあります。 

チューリッヒって、歌手の間でも気に入る人が多いようですね。私も9月に行って、すっかり気に入りました。もっとも今度行く12月にはかなり寒いので気が変わるかもしれませんけど・・・。
by babyfairy (2008-10-26 07:39) 

keyaki

babyfairyさん
ここにひっかかると思いました。実は、ドイツ語の訳をしてくれた方が、グリゴーロがどっちの意味で言ったかわからない....ということでああいう書き方をしたんで、削除した方がいいかも....と言われましたが、まあ、グリゴーロ君の育ちからすると聖体拝領もありかな....なんでそのままにしておきました。

スイスって、ドイツ語圏とフランス語圏って別の国みたいですね。スイスではすでにジュネーヴでデビューをはたしているのに、なにか無視してるかんじ....(笑
by keyaki (2008-10-26 14:03) 

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