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オランジュ音楽祭 2009 ~La Traviata~好評のうち終了★その他のアルフレード:Vargas, Kaufmann,Villazón,MP3 [La Traviata オランジュ音楽祭]

◎YouTubeにかなりアップされました。まとめましたので再生リストから視聴できます。

 カーテンコールの映像がYouTubeにアップされていましたので、グリゴーロとチョーフィを抜き出してみました。チョーフィは感激の涙....本当に熱演でした。グリゴーロは、喉の調子がちょっと悪いという公演前のアナウンスでしたので、喉は、まあ、まあ、だったよ....という手のひらをひらひらさせるジェスチャーで、観客の拍手に答えています。下の写真をクリックするとビデオクリップにリンクしています。


 しょせんアルフレードは刺身のつま.....とかなんとかジュセッペ・ディ・ステファノが言ったとか....ヴィットリオ・グリゴーロがアルフレードを歌ったのは、これで3回目、最初は2007年ゼッフィレッリ演出で、ゲオルギュー他3名のヴィオレッタがお相手、次は、昨年のチューリヒ中央駅の吃驚企画でエヴァ・メイと、今回のオランジュ音楽祭はパトリツィア・チョーフィ.....それぞれ違った性格のアルフレードで、今回のは、歌がとてもダイナミックでしたので、情熱的でつっぱしるタイプのアルフレードではないかと思いました。
 この音楽祭の公演は、France2でTV中継、FranceMusiqueでラジオ中継されましたが、その結果は、視聴率はそこそこだったが、成功だった...ということかしら.... France 2: Le succès éblouissant de La Traviata en direct des Chorégies d'orange.

 この記事で、チョーフィについては、ナタリー・デュセとパトリシア・プティボンの名前が挙がっていますが、何が書いてあるのかはわかりませんが、これは同じような軽いタイプのソプラノということで、まあ、いいでしょう。しかし、グリゴーロのところにヨナス・カウフマンって、どうして出て来ちゃうんでしょう......全然違うタイプで比較のしようがない...と思いますけど......前記事の助六さんのコメントにもヨナス・カウフマンが取ざたされていましたが.....フランスではヨナス・カウフマンがアルフレード歌いの代表なのかしら....

 ヨナス・カウフマンは、私に言わせれば、「声がない」のにオペラ歌手になって、艱難辛苦をものともせず、継続は力なり!の異色の歌手です。人の好き嫌いにとやかく言うつもりはありませんが、天性の「声がない」のは、皆さんの認めるところだと思います。昔は、流行歌手も美しい声が基本でしたが、いつの頃からかハスキー・ボイスなんてのももてはやされるようになりましたから、オペラもそういうことが起こっているのかもしれません。そうはなって欲しくないですけど.......

 参考までにいろいろなタイプのアルフレードの音声ファイルをアップします.....たくさんのテノールの中から誰を選ぶかですが、先日の記事で紹介したドミンゴの口から出た、バルガスとグリゴーロ、無理矢理振られて言及したビリャソンとカウフマン、4人のアルフレードのMP3をアップします。

La Traviataスコア
2幕始めのアルフレードのScenaと Aria、 Lunge da lei ....../De' miei bollenti spiriti...../ Annina, donde vieni?.../Oh mio rimorso!
★Ramón Vargas/2007年スカラ座(楽譜通り)
ヴィオレッタはゲオルギュー
DVDで発売(なぜかカウフマンではなかった)

★Jonas Kaufmann/2007年パリ・オペラ座
ヴィオレッタはシェーファー

★Rolando Villazón/2004年ベルリン国立歌劇場
ヴィオレッタはシェーファー
おや!ハイC出してますが、観客の冷めぶりには愕然
やっぱりドミンゴに似てます...
.
★Vittorio Grigolo/2009年オランジュ音楽祭
ヴィオレッタはチョーフィ


参考(年齢は7月18日現在):
Ramón Vargas ラモン・バルガス : 1960年9月11日- メキシコ (メキシコシティー):48才
Vittorio Grigolo ヴィットリオ・グリゴーロ:1977年2月19日-イタリア(アレッツォ):32才
Rolando Villazón ローランド・ビリャソン:1972年2月22日-メキシコ (メキシコシティー):37才
Jonas Kaufmann ヨナス・カウフマン:1969年7月10日※-ドイツ(ミュンヘン):40才


関連記事:オランジュ音楽祭《椿姫》
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コメント 8

babyfairy

私、カウフマンには今イチ燃えません。最初、ちょっとだけ聴いた時には、ドラマティックテノールになってくれるか?と期待しましたが、おっしゃる通り、声があるとは思えないんです。この間、ローエングリンとしてもデビューを飾りましたが、評判はどうだったんでしょうね。ドイツオペラには超疎いけど、どうせローエングリンなら、やっぱり金髪碧眼のフォルクトみたいなハンサムの方が良いなあと思ってしまいますが。

ヴァルガスはついこの間、リッカルドで聴いて来ました。安定した歌手ですが、華が無いのが最大の欠点ですね。ビリャソンは高音が極端に苦手そうだし、現在病気療養中で復帰出来るのかどうか。となると、旅費をはたいて迄、観に行きたい、と思えるのは、この中ではやっぱりグリゴーロ君しかいませんね。
by babyfairy (2009-07-18 21:18) 

euridice

オペラに興味を持った頃は椿姫の映像、録音ともけっこういろいろと視聴したものです。そして、気にいった物は繰り返し鑑賞しました。その後も映像はテレビで新しいのを随時鑑賞、新国でも数回見ました。音だけも話題のものはきいたこともありますが、記憶に残るものはなし。

2幕はじめのアルフレートの歌は、おもしろいと思ったことがありません。
あ、そうそう。最近の映像「チューリヒ中央駅の椿姫」で、あれ?!この歌は!と思いました。あの場面、意外なことに印象的でした。

こういう状況の中、こちらの音声クリップを、聴きました。上3つは気にいってなじんでいたのと何と言うか、私の中に出来上がっていたテンポとはずいぶん違う印象で、ちょっともどかしいです。4番目のはそういう違和感がないです。声も張りがあって心地良いです。

出来上がるのに最も影響した演奏は何かと言えば、一番頻繁に聴いていたCD、C.クライバー指揮(バイエルン国立歌劇場 DG)とカルロ・マリア・ジュリーニ指揮(1955 スカラ座 ライブ EMI)ということでしょう。アルフレートはそれぞれドミンゴとディ・ステファノです。

by euridice (2009-07-19 05:57) 

keyaki

babyfairyさん
>ローエングリンとしてもデビューを飾りましたが、評判はどうだったんでしょうね
それは、もう、公演の前から準備された原稿があるのではないですか...なんちゃって。写真だけ見ると、「三匹の子豚」並みの演出ですから、カウフマンのことよりそっちに批判が集中したかもしれません。でも彼にブーした(まともな耳をした)観客もいたようです。
イタオペには戻ってこなくていいよ...ですね。このアルフレードのどこをどう聞けば、褒め言葉がでてくるんでしょうね。最後まで聞くのにはかなり忍耐がいります。あちらのブログで、カウフマンを批判するのは実演を見てからになさっては....なんてご意見を頂戴しましたが、録音がこれではね.....

イギリス人もそうだと思いますけど、ドイツにも南方系(黒髪と浅黒い肌)への憧れがあって、それにカウフマンがピッタリなんですって。確かに一瞬はいいんですが、よく見ると目に力がない...メリハリのない顔なんですよね。
いっそのこと、グリゴーロにローエングリンをやってもらったらどうかしら.....ラテンの申し子のような容貌ですから....

by keyaki (2009-07-19 14:46) 

keyaki

euridiceさん
オペラの超人気演目ですから、私も話題になった《椿姫》の映像もちゃんと見てますし、ライモンディが出てないのにCD(クライバー指揮)まで持ってます。でも、進んで繰り返し聞いたり見たりということはなかったです。登場人物でも、気になるのはパパ・ジェルモンで、あとは誰でもOKよ....みたいなかんじでした。
ところが今では、アルフレードメインで聞いてますから.....なにこれ?という歌唱は、我慢できません。
バルガス:ちゃんと歌ってるけどさっぱりしすぎでたいくつ
カウフマン:なにこれ? 変な声
ビリャソン:最初はいいじゃないと思いますが、だんだん苦しそうになって単調になるので、結局たいくつ
グリゴーロ:この声、この歌唱...これぞイタリアオペラ!
by keyaki (2009-07-19 15:04) 

ペーターのファンです。

椿姫、私の基準はクライバー指揮の録音です。アルフレードが気に入らないのが玉に瑕ではありますが。上の4つ聴いて、合格点はグリゴーロだけですねえ。

バルガスはイタリアの普通のテノールが歌う普通のアルフレードの印象、ちゃんと歌ってるので文句ないはずですが、スターらしさもないですね。

カウフマンは声が聴こえた瞬間に吹きだしてしまいました。この音楽に続いてテノールが聴こえると耳に染み付いてるのに、違う声が響き始める驚き。ない声を懸命に張り上げて、指揮もそれにあわせて振ってる感じがします。イタリアオペラに戻らなくてもいいとして、これでワーグナーに邁進されても困りものです。

ビリャソンは、これ5年前だから今のグリゴーロと同じくらいの年ですよね。本当に単調で、苦しそうにあっぷあっぷしてますが大丈夫かな・・・?

カウフマンとビリャソンのお相手がどちらもシェーファーなのは偶然でしょうが、何か妙につりあっていますね。

グリゴーロは、実にこれこそイタリアのスター歌手の声と歌唱です。今までいろいろ聴いてもホフマンのような決定的な存在がいなかったのですが、グリゴーロが現れてしまいました。神様に感謝です。

by ペーターのファンです。 (2009-07-19 22:02) 

keyaki

ペーターのファンさん
このカウフマンの録音は2年前に聞いているのですが、シェーファーが目的で聞いたもので、こんなへんちくりんなアルフレードだとは気づきませんでした。ですから、カウフマンの歌は、流して聞くものなんでしょう。変な声...と思ってない人は、ちゃんと聞いてないってことなんだと思いました。

>カウフマンとビリャソンのお相手がどちらもシェーファーなのは偶然でしょうが、何か妙につりあっていますね。
これって、すごくうまい組み合わせですね。なぜかというとなんてったってシェーファー目当てで来る人ばかりですから、アルフレードのことなんて全然気にしてないでしょうから。

今回の椿姫では、音楽祭のトップが、素晴らしいテノールと宣伝してくれてますし、グリゴーロにふさわしい舞台衣装ですし、ぜひともDVDにして欲しいですね。チョーフィもあのカーセンの演出のヴィオレッタよりは絶対いいですよ。でも9月には、またフェニーチェでカーセン演出の椿姫ですけど、グリゴーロが相手役だと良くなるなるのか....と興味がありますけど。
by keyaki (2009-07-20 16:31) 

euridice

>>ローエングリンとしてもデビューを飾りましたが、評判はどうだったんでしょうね
ざっと検索したところでは、「(ローエングリンデビューが)祝福された」と彼の演奏に関する「紋きり表現の賛辞」が目立ちます。ひとつ辛口というかマイナス評を見つけました。別に恨みがあるわけではないので、ここに書くには少々迷ったのですが、私が録音を聴いて感じたことをうまく説明しているように思うので、思い切って・・。演出に関してはそれなりに、また演奏と歌手に関しても、肯定評価しているようですが、ローエングリンだけは・・
「この公演で、唯一がっかりだったのは、超誇大宣伝されたヨナス・カウフマンだった。最後の拍手喝采はほとんど不当だ。私は彼のすごいピアニッシモには拍手を送ろう。これはサスペンスに満ちた場面では非常に効果的だった。そして、高音ではハイバリトンを聞かせた。しかし英雄的テノールでは全くない。音質があまりにも一定でない。一連のフレーズのなかでさえ、連続すべき音が完全にばらばらの相反する響きだった。これらの中のひとつはことさらに不快だった。いわばピンチに陥った音で、このせいで、まるでスウェーデン語で歌っているように聞こえた。」


by euridice (2009-07-21 00:29) 

keyaki

euridiceさん
>音質があまりにも一定でない
つまり粒が揃ってないってことですね。アルフレードの歌でも不快なのはそのせいですね。

>高音ではハイバリトンを聞かせた
ハイバリトン......まさにその通り....

>超誇大宣伝されたヨナス・カウフマン
ほんと、あそこまで言っちゃうと不当表示ですね。

こういう批判が出て当然だと思いますが、「紋きり表現の賛辞」が目立つのは、ロールデビューのご祝儀相場みたいなものかしら....
by keyaki (2009-07-21 02:00) 

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