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プッチーニ・ガラコンサート: Teatro Pérez Galdós(2008.12.16〜) [コンサート]





★《妖精ヴィッリ》のアリアがYouTubeにアップされました。Le Villi :“Torna ai felici dì"
なるほど、コンサートでも演技が入ってますね。自然に身体が動いてしまうということでしょう。下に動画の静止画を掲載しました。後ろを向いたり膝をついたり、まさにパフォーマンスです。心に迫る歌唱です.....

★コンサートで、妖精ヴィッリ Le Villiの"Torna ai felici dì"を歌っている様子。最初は、後ろ向きではじまります......ビデオクリップを見た時は、どっちが客席?と思いました....(2009.6.22追記)

(Ecco la casa... dio, che orrenda notte! Strane voci m'inseguono. Le villi...evvia!... Son fole!...)
(No, delle villi ~ me non perseguita la vendetta fatal! Tu sol m'insegui, ~ rimorso!... Vipera dal veleno infernal!)
Torna ai felici dì dolente il mio pensier...ridean del maggio i fior, fiorìa per me l'amor...Or tutto si coprì di lugubre mister ed io non ho nel cuor che tristezza e terror!.. (libretto:Le Villi)

※コンサートに行った方のレポートを見つけました。この写真は、やっぱり、《蝶々夫人》3幕の"Addio Fiorito Asil"のようです。記事にレポートの要約を追加しました。(2009.2.8)

Concerts tribute to Puccini ペレス・ガルドス劇場 2008年12月16,18,20日 全3公演gri_puccini1.jpg
ピエル・ジョルジョ・モランディ指揮
グラン・カナリア・フィルハーモニカ管弦楽団、合唱団
司会:Elu Arroyo
テノール:
マリオ・マラニーニ Mario Malagnini
ヨゼフ・カレヤ Joseph Calleja
ヴァルター・ボリン Valter Borin
ヴィットリオ・グリゴーロ

プログラムが分かった時点で記事にするつもりでしたが、未だにわかりません。右の写真は、ペレス・ガルドス劇場のホームページに掲載されましたが、なんの説明もありません。左の深刻そうな顔でたたずんでいる男がなにものなのかもわかりませんし、グリゴーロがなにを歌っているのかもわかりません。プッチーニのアリアでこういう場面のあるオペラはなんでしょうか.....思いつきません、なんだろう、気になる....どうやら《蝶々夫人》3幕の"Addio Fiorito Asil"のようです(2009.2.8)

gri_LasPalmas.jpg ヴィットリオ・グリゴーロは、12月16,18,20日は、スペインのカナリア諸島、ラス・パルマスのペレス・ガルドス劇場(Teatro Pérez Galdós )で、プッチーニ・ガラコンサートに出演しました。
 プッチーニ(1858年12.22 - 1924.11.29)生誕150周年を記念して、5人のソプラノと4人のテノールが、オペラのアリアを歌うわけですが、普通なら、9人の歌手が、2曲づつ歌うのかな...なんですが、これが変なコンサートで、はっきりわかっているのは、ソプラノとテノールが別々ということだけで、組み合わせとかプログラムの詳細はわかりません。
 ラス・パルマスは、年間を通じて温暖な気候で12月でも平均気温17℃だそうですから、クリスマス休暇に避寒に訪れる観光客が多いので、プログラムとか関係無しにチケットは、なんでも売れるんでしょうね。
 ソプラノさんは、17,19,21日の三日間で、Maria Guleghina, Irina Lungu, Paoletta Marrocu, Cristina Gallardo-Domâs, Raffaella Angelettiの5人。テノールは、16,18,20日の三日間で、上記のの4人です。当初の発表から、歌手がくるくる変わっていますが、グリゴーロが出演するのが決まったのが9月頃で、その時はロベルト・アロニカ、マルコ・ベルティ、ヨゼフ・カレヤ、グリゴーロでしたし、シーズン発表時は、Marcello Giordani, Fabio Sartori, Joseph Calleja, Roberto Aronicaだったんです。
 この出演歌手を眺めていて気づいたのは、みなさんエージェントが一緒、つまりこのコンサートはマリオ・ドラディの企画のようです。マリオ・ドラディは、グリゴーロとはエージェント契約はしていないようですが、9月にチューリヒで会っていますので、その時に出演依頼をしたのではないでしょうか。というか、出演依頼をするために会ったんだとおもいます。
 マリオ・ドラディは、ドミンゴ、カレーラス、R.ライモンディのエージェントでもありますが、《三大テノール》のコンサートを企画したことでも知られています。
 『1990年7月7日、 ローマのカラカラで開催されたワールド・カップ前夜祭の《三大テノール》コンサートは、マリオ・ドラディ(エージェント、マネージャー、プロデューサー)の発案で、カレーラスの復帰祝いと、白血病の財団創設のための資金集めのチャリティーとして、テレビ、レコード会社と共同で企画した。ドミンゴとパヴァロッティもそれに賛同して、協力したイベントで、世界の8億人以上がテレビを見て、大成功をおさめ、このコンサートのCDの売り上げは、クラシック音楽のジャンルでは驚異的な記録となった。』

★レビュー:Gala Puccini:Las Palmas de Gran Canaria, 16/12/2008グリゴーロが何を歌ったかは書かれていませんが、評価されているような感じがする.....

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2009.2.8追記
★カレヤ/グリゴーロ/ビリャソン 2008年12月
私のオペラ旅行の最初は、ラス・パルマスで開催されたプッチーニ・ガラコンサートで、アロニカ/ベルティ/カレヤとグリゴーロの4人のテノールを聞く予定だったが、現地に到着して、ロベルト・アロニカとマルコ・ベルティはキャンセルで、全然知らない歌手、ヴァルター・ボリンとマリオ・マラニーニに代わっていて吃驚。.....
(歌手一人一人の感想がありますが、この方の分類では、カレヤとグリゴーロは素晴しい声に恵まれたテノール、ボリンとマラニーニは、二人のような特別な美しい声を与えられていないが、彼らなりにとても良かった....ということです)
ヴィットリオ・グリゴーロ
ものすごくうれしい驚き。響きは物悲しい感じだが、心に強く訴えかける声。高音も良い。《妖精ヴィッリ》のアリアは心地よく胸に迫った。これは力強さも十分の軽い抒情的な声。"Addio Fiorito Asil"と"Gianni Schicchi"はちょっと期待外れだった。私は《妖精ヴィッリ》のアリアはこの二つのアリアより重いと考えているのだが、反対だった。オペラの舞台上の彼は立派に見えたが、コンサート形式の舞台では受け狙いの大げさな演技をするのはやめたほうがいいと思った。この歌手の今後が楽しみ。重いレパートリーに尚早に突き進まないことを希望する。彼はすでにドン・カルロを歌ったとネットで読んだが、私の耳には完璧に間違った選択だとしか思えない。少なくとも今のところは、ドニゼッティと公爵(リゴレット)あたりを主要なレパートリーにしておくべきだ。......

(このコンサートのあと、ウィーンでビリャソンの《ボエーム》を見たが、ひどいものだった、声は小さいし、締めつけらるような、呼吸も荒く不自然で、調和のとれた音は実質的に失われていた。声の不十分さを演技でカヴァーすることはできなかった。"Che gelida manina"は、全音下げていたようで、奇妙なものだった.....)
よく《ドン・カルロ》は歌わない方がいい、という意見が散見されますが、放送を聞いた限りでは、とても自然に歌っていて、無理をしている感じは全くありません。レビューでも絶賛されていますし、グリゴーロの声には合っていると思います。 

※このレポートで分かった曲目
ヨゼフ・カレヤ:《エドガール》の"orgia chimera"、《トスカ》"Recondita armonia"、《つばめ》quartet
ヴィットリオ・グリゴーロ:《妖精ヴィッリ》、《蝶々夫人》"Addio Fiorito Asil"、《ジャンニ・スキッキ》
4人で《トゥーランドット》"Nessun dorma"

以上2009.2.8追記
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豆知識:ペレス・ガルドス劇場について
セルバンテス以来最も優れたスペイン人作家と称されるベニート・ペレス・ガルドス(Benito Perez Galdos)から名前をとった劇場。映画「哀しみのトリスターナ」は、彼の小説を映画化したものだそうです。
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コメント 11

りょー

>プッチーニのアリアでこういう場面のあるオペラはなんでしょうか.....思いつきません.....なんだろう

新しい謎々ですね。
う~ん・・・テノールはご機嫌そうですから・・・

一幕のピンカートンとシャープレス!

by りょー (2009-01-22 13:05) 

keyaki

りょーさん
ほんと、この写真がポンと1枚あるだけって、なんなんでしょう。ほんと、謎々ですよ。

>う~ん・・・テノールはご機嫌そうですから・・・
能天気なテノール君といえば、ピンカートンくらいですよね。プッチーニでは。
私も、ピンカートンとシャープレスかな?なんですけど、1幕の能天気なピンカートンに、シャープレスが、蝶々さんを悲しませるような事はしないように...と軽く注意..にしては、深刻すぎなかんじなので、3幕のピンカートンの短いアリアの場面かな.....とも思ったり.....
プログラムくらい載せて欲しいですよね。

グレギーナは、トゥーランドット歌ってました。ソプラノさんたちは、ちゃんと衣裳つけて演技して歌ってるんですよ。

by keyaki (2009-01-22 20:37) 

りょー

一枚だけで情報ナシなんですか^^;それじゃサッパリわからないですね。

他には、じゃぁ、ロドルフォが「このあいだムゼッタを見たぜ」ってマルチェッロをからかっているところ、っていうのはどうでしょう?そのあと、バリトンと二重唱をやったら盛り上がりそうじゃないですか?

グレギナは来年?METでトゥーランドット歌うんですよね。似合いそうです。
by りょー (2009-01-23 00:09) 

keyaki

りょーさん
4幕の最初のところですね。お互いに別れた恋人を思い出す....それもありですね。なんかマルチェッロがシュンとしていてかわいいです。

>一枚だけで情報ナシなんですか^^;それじゃサッパリわからないですね
しかも他のテノールさんのはないし....
by keyaki (2009-01-23 15:52) 

babyfairy

>ドニゼッティと公爵(リゴレット)あたりを主要なレパートリーにしておくべきだ。......

大きなお世話ですね・・・。グリゴーロ君のドン・カルロはいわゆる『声が合っている』歌手のドン・カルロにはない、素晴らしいカルロだったと思います。『声が合っている』とは一見客観的な意見だけど、実は聴き手の好みとか、どこかの偉いオペラ評論家の意見を盲目的に信じているとか、と言う場合もあるのではないかと思いますね。

それに確かに重心が高い位置にある声ですが、軽いけれども鋼の声とでも言うか、決して繊細な声では無いと思います。
by babyfairy (2009-02-09 03:24) 

euridice

>大きなお世話
こういうの素人評論でも少なくありませんね・・ 

>どこかの偉いオペラ評論家の意見を盲目的に信じている
で、「偉いオペラ評論家」は「もっと偉い人を窺って・・」なんて具合じゃないでしょうか。何にも影響されない自分の好みで鑑賞するなら、好きか嫌いか、どうということもないかのどれかに過ぎないと思います。
by euridice (2009-02-09 10:02) 

keyaki

babyfairyさん、euridiceさん
素人でも、特にテノールの関しては、うるさいことを言う人が多いですね。
私の「声が合ってる」というのは、とても単純で私にとって、聞いていて心地よい...という意味にすぎないんですね。それで、歌手本人が歌っていて、なんら違和感を感じてなければ、それこそ、「声が合ってる」と言えるんじゃないかしら。
テノールの声質の分類と、その役に合った声質もいろいろ言われていますけど.....

まあ、こういうお節介発言は、重い役を早くから歌わないで、今の状態を長く続けて欲しい..ということなんでしょうね。バスとかバリトンはこういうことを言われないと思いますので、テノールって、物理的にそうとう喉に負担がかかるので、喉がつぶれちゃうということかしら。

このレポートの主によれば、4人とも高音になんら問題はなかったそうです。Nessun dormaを皆で歌ったということですが、ヨゼフ・カレヤのハイCがBjorlingを彷彿とさせるものがあって好みだったとか.....
いくら知名度があってもこのコンサートにビリャソンは参加できませんね。
by keyaki (2009-02-09 11:21) 

ペーターのファンです。

ビデオクリップ拝見しました。keyakiさんの説明がなければ、最初の場面が後ろ向きと気づかずに途中であわてていたことでしょう。
良い歌唱です、文句なしに。軽く叙情的ですが芯に強靭さのある声で、中音域も良く響き魅力的です。この動きをウケ狙いと取る人がいるとしても、オペラに演技は付き物ですし本人はこれが自然なのでしょう。ドスコイ歌手が棒立ちで歌ってるより、なんぼ良いかと思います。
テノールは年とともに声が重くなって若い頃の役を歌えなくなっていきますから、うるさい輩は多いですが、贔屓の引き倒しと笑わば笑え、の域に入りつつあるのか、あれこれ言うご意見が気にならなくなってきました。
by ペーターのファンです。 (2009-06-23 22:10) 

keyaki

ペーターのファンさん
コンサートでこれだけ動くのは、世界広しといえどもグリゴーロだけかも。
そういえば、オーストラリアのコンサートで、セビリアの理髪師のアルマヴィーヴァ伯爵を歌った時も、一般の観客に動きすぎとか批判的なことを書かれてましたね。この時も膝をついてましたけど、コンサートのスーツは自前でしょうから、もし私の息子だったら、「あなたスラックスが傷むから膝をついて歌うのはやめなさい」なんて言っちゃうかも....(笑
しかし、動くことを批判するのは理解できません....

by keyaki (2009-06-24 14:11) 

りょー

べつに、動くスペースがあるんだから動いたっていいじゃないですかね~。私はコンサートで動き回るの大好きです♪そりゃ基本は歌だけでも歌の世界を感じさせるだけの歌唱をしてないとだめですけどね(笑

Le Villiのアリア、私はこの歌が大好きなのでじっくり聴かせて頂きました!
大好きな歌手の声で聴きこんだアリアって大抵どの歌手で聴いても納得いかないんですけど…これはいいですねぇ。メロディラインにまったく不満なし。無駄なく無理なくのびのびとした発声に見えます。低音も張りがあるし高音も金属音にならないし♪軽めの声なのかもしれませんけど、でも逆に、明るい話し声からは想像もできないくらいしっかりした男らしい声ですよね。ドン・カルロなんてぴったりじゃないですか。なんで似合わないなんていわれるんでしょうね?
by りょー (2009-07-21 22:45) 

keyaki

りょーさん
妖精ヴィッリといえば、クーラですし、マイナーというか、めずらしい選曲ですし、このアリアがアップされたのは嬉しいです。りょーさんに納得の歌唱と太鼓判を押してもらえるとは、更に嬉しいですね。
ドン・カルロもレビューは絶賛でしたが、レパートリーにするには早すぎるみたいな意見がありました。今のところ今後の予定には入ってないようで、4、5年は、アルフレード、ボエームのロドルフォ、ルチアのエドガルドをメインにやっていくみたいです。
by keyaki (2009-07-22 01:06) 

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