SSブログ

ドミンゴのインタビュー(2010.5.27:テアトロ・コロン新装オープン等) ついでに今後の有望テノールについても... [その他]

  全然知りませんでしたが、アルゼンチン、ブエノスアイレスのテアトロ・コロンが老朽化のため2006年10月から1億ドル(約90億円)をかけて行った約3年半の改修工事を終えて再オープン、5月24日にはオープン前夜祭で、約2700人が招待され、一般市民は劇場の外壁に映し出されたオペラ「ラ・ボエーム」やバレエ「白鳥の湖」などの映像を楽しんだそうです。
 どういう基準かは分かりませんが、「世界三大劇場」と言う場合には、パリのオペラ座、ミラノ・スカラ座、ブエノスアイレスのコロン劇場と言うらしい........

 さて、今回のインタビューは、中東のカタールでのサルスエラ公演(2010.5.13)の後の独占インタビューですが、このコロン劇場の再オープンも話題になっています。
 ドミンゴは、同時期にワシントン・ナショナル・オペラで《ハムレット》の指揮をすることになっているため、残念ながらオープンには出席できないが、ぜひ近いうちに行きたい.......とか、1972年に《運命の力》でコロン劇場デビューしたとか、2011年には、《シモン・ボッカネグラ》に出演する計画があるとか、2012年のコロン劇場デビュー40周年にもなにか記念の演奏をしたいとか.......サルスエラのこととか.....それから、いつものように現在のテノール歌手について質問されています。この部分だけを紹介します。

『テノールの新世代をどう思いますか.....注目歌手はいますか?』という質問に対して....

『もちろん、特別な声があります。ラモン・バルガス、ローランド・ビリャソン、アルトゥーロ・チャコンそしてダヴィッド・ロメリが、4世代に渡るメキシコの優れたテノールの代表だと思います。この地域では、アルゼンチンのマルセロ・アルバレスと1月にメトロポリタン歌劇場で私が指揮した《スティッフェリオ》で共演したホセ・クーラもいます。もちろんペルーのファン・ディエゴ・フローレスは、その分野で唯一無比です。国際的レベルで、ドイツ人テノールのヨナス・カウフマンとイタリアのヴィットリオ・グリゴーロは、特別なアーティストだと確信しています。』

記事全文:Plácido Domingo: "Me encantaría volver al Colón" (2010.5.27)

 訳した後に気づきましたが、2009年9月15日のインタビューでも、同じような質問をされていますが、全く同じ歌手の名前を挙げていて、内容も同じでした......当然ですけど。

◎ドミンゴとグリゴーロの接点:
ドミンゴがグリゴーロと出会ったのは、多分、2006年5月4日の"The Classical BRIT Awards"の授賞式で、その時に、ドミンゴは、グリゴーロの歌を聞いて、2007年のワシントン・ナショナル・オペラの開幕公演の《ボエーム》に誘ったのではないかと思います。
2008年9月のインタビューで、「あなたとドミンゴとの関係はどういうものですか。」と質問されて、「彼は、僕にとって父親のようなものです。チューリヒに着いたとき、へとへとに疲れていたので、大好きな《ルチア》をキャンセルしようかと思いました。ドミンゴに電話しました。彼は僕を正気に返らせてくれました。幸運でした。」と語っています。(この時は、8月5日にはローマで「雪の奇蹟」のイヴェント、8月15日はカリフォルニア、8月19日にはチューリヒでした。ロサンゼルスでは、シュワルツネッ ガー知事、ロス市長、ドミンゴと会ってますから、気もつかったでしょうし、そりゃ疲れるでしょう....)

参考:
Ramón Vargas ラモン・バルガス : 1960年9月11日- メキシコ (メキシコシティー):49才
Rolando Villazón ローランド・ビリャソン:1972年2月22日-メキシコ (メキシコシティー):38才
Arturo Chacón-Cruz アルトゥーロ・チャコン=クルス:1977年8月20日- メキシコ) 32才
David Lomelí ダヴィッド・ロメリ:?メキシコ (メキシコシティー) 2006年Operalia優勝者
Marcelo Álvarez マルセロ・アルバレス:1962年2月27日- アルゼンチン:48才
José Cura ホセ・クーラ:1962年12月5日- アルゼンチン:47才
Juan Diego Flórez ファン・ディエゴ・フローレス:1973年1月13日-ペルー(リマ):37才
Jonas Kaufmann ヨナス・カウフマン:1969年7月10日※-ドイツ(ミュンヘン):40才
Vittorio Grigolo :ヴィットリオ・グリゴーロ:1977年2月19日 イタリア(アレッツォ):33才


メモ:Teatro Colón
1908年5月25日『アイーダ』で開場
2006年10月から1億ドル(約90億円)かけて改修工事
2010年5月25日『ボエーム』で新装開場
収容人数:2,487席 + 立ち見 1,000名
ステージ:幅20m、高さ15m、奥行き20m

関連記事:
ドミンゴが後進のテノールについてコメント:バルガス、フローレス、グリゴーロ、おまけでカウフマン
ドミンゴが後進のテノールについてコメント -その2-(2009.9.15)
nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 4

starboard

コロン劇場は音響面の評価が高いそうです。世界の著名指揮者に対するアンケート評価とやらでトップになったそうで、うろ覚えですが、2位以下に大差を付けて圧勝じゃなかったかと。歴史とか音楽とか建築(音響)とか総合して決めてるんでしょうね。この本に書いてありました。http://d.hatena.ne.jp/starboard/20100405
もっとも、各オペラハウスとも自分とこに都合のよい基準で世界○大歌劇場を決めてそうですが。
by starboard (2010-05-31 19:09) 

keyaki

starboardさん
>コロン劇場は音響面の評価が高い
ダントツ1位なんですね。改修工事後も同じ状態なんでしょうか....

南米のオペラ劇場と言えば、《フィッツカラルド》を思い出しますが、この映画にでてくるマナウスの劇場と同じ頃に建てられているんですね。
by keyaki (2010-06-02 02:11) 

Nanako

コロン劇場、私も改修工事後も同じ状態なんでしょうか....と思いました。遠いからコロンまでは行きたくてもちょっと行けませんよね。そういえばボリショイ劇場も改修終わりましたね。
アルトゥーロ・チャコン、ドミンゴに師事しているとかで北京のアルフレード、ちょっとドミンゴっぽかったです。声質も似ているかもです。チャコンけっこうよかったですが、私はグリゴーロの声の方が好きです。
by Nanako (2010-06-09 11:11) 

keyaki

Nanakoさん
アルトゥーロ・チャコンは、「ドミンゴに師事している」というよりは、メキシコ出身だし、オペラリアの優勝者だし、いろいろフォローしていることは間違いないようですね。このインタビューで、ドミンゴが、名前を挙げているのは、南米出身だからだと思います。

北京はデムーロがキャンセルで残念でしたね。急な代役じゃないのに、もともとスケジュール的に無理....これは、エージェントのミスだと思います。
でも、Nanakoさん、いい経験になりましたね。北京のオペラ鑑賞記楽しませて頂きました。

by keyaki (2010-06-09 16:57) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0