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若い人にもオペラを見に来て欲しい....だからポップでも成功したい...V.グリゴーロ [インタビュー&記事]

 ヴィットリオ・グリゴーロは、なにかとメディアへの露出度が高く、インタビューでも自分の意見をいろいろ発信しています。その中で、ポップを歌う理由は、オペラもポップも両方好きだからということと、自分がポップ界で有名になれば、ポップしか聞かなかった層もオペラを見に来てくれるのではないかと言うことです。彼は、19才(デビューは13才)からオペラの舞台に立ち、観客の高齢化と空席の目立つ客席を身を持って体験し、イタリアの文化であるオペラをもっと活気のあるものにしたい、衰退させたくないという気持ちが強いようです。
 ヴィットリオ・グリゴーロのポップ系HPにはファンのフォーラムがありますが、「ヴィットリオとの出会いは、いつ、どこで?」というスレッドで、面白いコメントを見つけました。

『私が、ヴィットリオを知ったのは去年、親友と一緒に《リゴレット》を見に行った時です。私は、かなりのヴェルディお宅で、親友をさそって劇場に行きました。私たちは、そこで、ヴィットリオのマントヴァ公爵を見ました。彼の声だけでなく彼の舞台姿も私たちを魅了しました。オペラが終って、サインをもらいに楽屋口に行きましたが、それはちょっと面白い光景でした。60才から80才位のご婦人たちで混み合っていて、その中に私たち二人の「十代の女の子」という具合でした。そして、彼が出て来て吃驚、私が今まで出会ったことがない最高に魅力的なオペラ歌手に出会ったのです。私たちは、サインをもらって、公演についてドイツ語とイタリア語と英語を混ぜて楽しく話しました。私たちは、帰り道でもずっと興奮していました。その後、彼のCDのことを知って、18才の誕生日に親友がプレゼントしてくれました。最初の10回は、CDを聞きながら微笑みを止めることができませんでした。これが、私のヴィトリオとの出会いです。 』

彼女たちが見に行ったのは、前記事で紹介した、2005年、ハンブルグの《リゴレット》です。やっぱり、お年寄りが多いということですね。
下の写真は、ファンフォーラムから拝借してきました。最初の2枚は、ポップアルバムの宣伝ツアー、3枚目は、7月26日のシカゴ・ミレニアムパークでのパヴァロッティ追悼コンサートのファンサービスの様子です。
↑オペラのアリアだけのコンサートでしたが、若い人もいます
←ポップ系は4 ,50代が多い、よんさま状態?


オペラの未来と観客についてのヴィットリオ語録:
グリゴーロは、クラシックに根を下ろしつつ、自分の音楽を可能な最大多数の聴衆に届けたいと望んでいる。「僕のアルバムで、オペラをポップスに繋げようとしました。二つの非常に異なるものを関連づけようとしました。二つの世界に境界はほんとうは存在しません。僕たちは、人々をオペラに来させなければなりません。これは文化の問題です。」
「....プラシドと一緒に仕事をするのは名誉なことです。彼はオペラハウスが若い人を獲得することの重要さを理解しています」
シカゴ・SUN TIMES記事:グリゴーロ発言に波紋★ニューアルバムはドミンゴと二重唱もから抜粋

グリゴーロは、半分空席のオペラハウスや、年配のファンばかりがどんどん増えるのを目の当たりにしたのがきっかけで、ポップスの活気をオペラ界にもたらしたいと思ったと言う。
「ぼくはオペラの世界を変えたいのではない。オペラを現代につなげたいのだ。ポップスのぼくのファンにオペラを発見してもらいたい。バルセロナの公演でシャツを脱いだ。そしたら、オペラははじめての若い女性たちがオペラを見にきた。彼女たちはポップスターのような身体をしたテノールが珍しく、新鮮なのだ。別のご婦人たちはこう言った。息子たちをオペラに初めて誘ったって。どうしてかって、ぼくが彼女たちの息子たちと同じ年齢だからだそうだ。
イタリアでは、オペラはエリートのためのものにすぎない。確かにオペラでも有名になることはできるけど、その歌手がどういう人物なのかなんてだれも知らない。10万人ぐらいは知っているかもしれない。メディアを利用すべきだ。パヴァロッティはそういうことを最初にやった。彼がスターになったとき29歳だった。そのころは、オペラがポップミュージックだったのだ。パヴァロッティがオペラのためにやったことこそが、今ぼくがしようとしていることだ。つまり、今こそオペラをもう一度ポップミュージックにするのだ」
若い虎がパヴァロッティの王冠を獲得から抜粋


余談:グリゴーロのアルバム"vittorio"に対する反応
・アマオケにも入って、オペラも好きという同世代の知人は、「えぇ! この声でオペラ歌うの....」
・グリゴーロのアルバムUK版とUSA版2種類買いましたので、娘に1枚プレゼントしてみました。その反応は、「すごくいい! 毎晩聞いてる....」、グリゴーロが出演するオペラなら誘えば一緒に来るかもしれません。ちなみに娘はクラシックで育てましたが、今は、私の知らないCDばかり、テレビはなくても平気のようですが、音楽は毎日聞いているようです。

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コメント 2

rosina

>ヨン様状態のグリゴーロ君

ってのが笑ってしまいました^^。
でも、彼は本当に『自分の使命』に燃えているんですねえ。

>・アマオケにも入って、オペラも好きという同世代の知人は、「えぇ! この声でオペラ歌うの....」

>グリゴーロのアルバムUK版とUSA版2種類買いましたので、娘に1枚プレゼントしてみました。その反応は、「すごくいい! 毎晩聞いてる....」

対照的ですね。 若い人の方が、形式にとらわれず、感覚的に良いものをキャッチするところは絶対有ると思います。

ところで、もう一度TBトライさせて頂きましたのでよろしく御願い致します。
by rosina (2008-08-14 17:53) 

keyaki

rosinaさん
レコード会社も中年婦人をターゲットにしているのかも、母の日のプレゼントに....とか言ってましたから。

娘がなにを聞いているのか、CDが部屋にいっぱいありますが、ジャケットをみても全然わかりません。ほとんど女性シンガーみたいです。
でも、私が持っている、かなり昔のイタリアンポップスのCDを全部iPodに入れたようですから、イタリア語の歌には魅力を感じているんでしょう。

TBありがとうございます。今度はうまくいったようです。
by keyaki (2008-08-15 08:56) 

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