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雑誌 "l'opera"11月号:"The Italian Tenor"ディスク評 ☆ 国内盤発売! 予約受付中 [CD/DVD/映画]

252.jpg まず、来年早々、国内盤が発売されます。CD屋さんに直接足を運んで買う人とか、ネットでも国内盤しか買わない人もいるかもしれませんから、喜ばしいことです。「皆にヴィットリオの歌を聞いて欲しい!」というのが、グリゴーロが歌う理由ですから。イタリアオペラ好きにはお勧めの一枚です。すでに発売されているヨーロッパ、アメリカでもよく売れているようです。

 ヴィットリオを知らない人たちに、ヴィットリオのすべて、ヴィットリオの過去、現在、未来を知ってもらいたい、という思いでこのアルバムを作ったそうです。18才で、ピッツェリアのテーブルの上で歌った《愛の妙薬》から、将来歌うことができるかもしれない《トロヴァトーレ》等が網羅されています。"The Italian Tenor"というタイトルには、イタリアの伝統を守りたいという思いも込められていると思います。

 「ザ・イタリアン・テナー」....カタカナになるとなんかディナーと間違いそう....イタリアン・テノールの方がいいと思いますけど.......2011年1月26日発売、すでに各ネットショップでは予約できるようです。しかし、2,520円って.....1,000円前後の輸入盤と差がありすぎ....日本語の解説でもついていればいいんですけど、どうなんでしょう。

 さて、イタリアのオペラ雑誌に"The Italian Tenor"のCDレビューが掲載されました。ちょっと遅過ぎですけど、かなり詳しく書かれています。また、雑誌の裏表紙がCDの宣伝になっていましたので、今回は表紙でなく裏を載せます。ご覧のように(写真右)ソニーさんかなり力が入っています。ちなみに表紙は、バルセロナの《カルメン》、カリスト・ビエイトCalixto Bieitoの演出ですから、推して知るべしですが、表紙に使っている写真(エスカミーリョのシュロットとカルメンのモンゾン)は、普通です。本文には見たくない....ホセのアラーニャとモンゾンの写真がありました。もう両人ともいい年なのに。

 話しを戻しますと、ディスク評は、一言で言えば、筆者のジャンカルロ・ランディーニ Giancarlo Landini氏もグリゴーロの歌を大いに堪能した様子で、グリゴーロは、同世代のトップクラスのテノールの中でも群を抜いていると高く評価しています。グリゴーロの声をレッジェーロだと言い張る人たちも一部いるようですが、魅力的なテノーレ・リリコとしています。ちなみに「今はレッジェーロではなくリリコ・ピエーノ」とグリゴーロ本人も言っています。

 「13才で初舞台を踏んだヴィットリオ・グリゴーロも33才、着実にキャリアを積み、彼の芸術性と声のクオリティーはますますみがきがかかってきたことが伺える。ロンドンでの《マノン》での成功、世界で放送された《リゴレット》への参加は、観衆の期待をかきたてた。曲目選択もタイトルにふさわしい内容で、非常によろしい。ヴェルディの《海賊》とプッチーニの《妖精ヴィッリ》の例外的なアリアも含んでいるが、初期ロマン主義からプッチーニの三部作まで、イタリアのオペラスターには必須の素晴らしいレパートリーに取り組んでいる。」

 「このリサイタル盤で、グリゴーロは栄光に満ちた伝統のイタリア人テノールの後継者の候補としての大きな一歩を踏み出した。モランディの指揮は、テノールの意図を汲み取り、歌手をサポートしていて、よく機能している。録音は、十分なスペースのある音響のよい舞台で行われていて、声には非常に効果的で評価できる。」

 とりあえず、収録されているアリアの個別のレビューは、おいておいて、前置きと後書きの部分のいい加減意訳です。全文は、左の写真をクリックすると読める程度に拡大します。

★グリゴーロ自身が語った、アルバム"The Italian Tenor"のコンセプト
僕にはずっとクラシックのアルバムを作る夢がありました。小さい時から、僕はいつか全部クラシックのアルバムを作りたいと思っていました。自分、ヴィットリオに似た雰囲気のものを歌いたい、ヴィットリオを表現出来る、ヴィットリオが持っている感情を与えられる歌を歌いたいと。今、33歳になって、ヴィットリオはたくさんの色で自分を表現できるちょうど良い年になったのではないかと思うのです。10年前、23歳の時にすでに録音する機会もあったのですが、しませんでした。自分にはまだ何かが欠けていると感じたからです。芸術的なもの、技術的なもの、また人生経験も足りないと。なぜなら、人が持つことのできる最も美しい色は、人生から生まれるもの、経験から生まれるものだと思うからです。だから、33歳なら、イタリア流の絵を描くためのたくさんの色のパレットが用意できたと思います。それでこのアルバムを「イタリアン・テノール」と呼ぶことにしたんです.............特にアルバムを「イタリアン・テノール」と名付けたのは、僕にとってこのアルバムは入場券みたいなものなんです。ヴィットリオを知らない人達にとって、アーティストとして、個人として、ここにはすべてがあります。過去のヴィットリオ、今のヴィットリオ、未来のヴィットリオが。どういうことかと言うと、このアルバムのために選んだアリア曲は、聴き手に、「あぁ、これは『愛の妙薬』だ、これは…」って思ってもらえるような、......『愛の妙薬』、これはヴィットリオの始まりです。これを18歳の時、食堂のテーブルで歌いました。僕の最初のオペラです。それから、『ファヴォリータからSprito gentil』 若い、優しい声、若者の感情がすべて込められています。さらに、『リゴレット』、『海賊』、『ラ・ボエーム』も入れました。現在のヴィットリオ、リリックなヴィットリオを知ることが出来るように。それに、必ずこうなると誓うものではありませんが、聴き手が、僕の考える未来のヴィットリオ、そこにいつか到達するであろうヴィットリオも少し知ることが出来る曲も入れました。フランスやイタリアその他のレパートリーすべての後、ヴィットリオが選ぶであろうもの。プッチーニでは、もう少しキャラクターのある『トスカ』や『マノン・レスコー』、ヴェルディでは『トロヴァトーレ』のようにもう少し強いものを。


仏語のインタビューですが、嬉しいことに同好の方が訳して下さいました。グリゴーロ自身が語ったことがそのまま脚色無しで聞ける貴重なものですので、後日全文掲載したいと思います。
放送はこちら"ヴィットリオ・グリゴーロの初クラシックアルバム "The Italian Tenor"発売にあたってのインタビュー"で聞けます。

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