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《ホフマン物語》の呪い......&Vittorio Grigoloロールデビューのレビューいろいろ [Les contes d'Hoffmann]

Zürich is verliefd op Vittorio Grigolo:生き生きとした洗練されたパフォーマンスによって、舞台のスターだった....(本文に追記)

„Les contes d'Hoffmann“ am Opernhaus Zürich unter keinem guten Stern:グリゴーロは、声楽的にも役者としても詩人ホフマンだった....(本文に追記)


Wenn der Teufel seine Finger im Spiel hat:Anna Kardos. :ホフマンのグリゴーロが登場すると特別な感じになった。クラインザックの歌では、まさにZackがそこにいた。(本文に追記)

NZZonline:Französisch auf Italienisch:出た!ネガティヴレビュー「完全なミスキャスト.....好みじゃないとしても、才能があるのは確か.....」(本文に追記)


3月15日記載分
 チューリヒ歌劇場、新演出の《ホフマン物語》で4役を歌うことになっていたエレーナ・モシュクが、喉の感染症でドクターストップ、波乱の幕開けとなりました。四谷怪談のように《ホフマン物語》にも呪いがあったとは......しかし、こういう最悪の事態にどう対応するかが劇場支配人の能力、腕の見せ所.....アレキサンダー・ペレイラ氏は、「最悪のケースを素晴らしい夜にした」ようです。
 ネットにレビューが徐々にアップされていますので、見つけ次第追加していきますが、一番のりのレビューから紹介します。

Zürich: LES CONTES D'HOFFMANN, 13.03.2010
Für oper-aktuell: Kaspar Sannemann, den 13. März 2010 から抜粋

 1881年12月8日、《ホフマン物語》の2日目の公演前の、ウィーン歌劇場でのひどい劇場火災(400人近く死亡)以来、この作品の呪いは続いている。劇場支配人たちはこのオッフェンバックの名作の上演をずっと恐れている。2010年チューリッヒでの新演出もどうやらこの呪いを逃れることはできなかったようだ。幸い嘆き悲しむような犠牲者はなかった。練習が始まる前日、演出のトーマス・ラングホフが手術をせざるをえなくなり、すでに完成していた舞台装置、衣装で、より上位の演出家のグリシャ・アサガロフが代わって演出したのはよかった。プレミエの24時間前、モシュクが医者の忠告で4つの役を歌うのを断念しなくてはならなくなった。4つの役全部の代役ができるソプラノを見つけるのは不可能だ。


 そこで、プレミエを救うべく独創的な解決が求められた。モシュクは演技はできる。代役は舞台の袖にひそかに立つ。アンサンブルメンバーのSen Guo が、彼女の非凡なツェルビネッタと同じぐらい卓越してオランピアを歌った。すばらしいロールデビュー。一晩で勉強したのだ。アリアだけはすでに一度コンサートで歌ったことがある。モシュクは演技に集中できた。ものすごく衝撃的だった。ガラスの白雪姫の棺から起き上がったセックスアピール満点のマリリンモンロー人形が生き返ったみたいだった。かっこよくて輝かしい声で歌われるグリゴーロのホフマンがこの人形に溺れるのも驚くにあたらない。グリゴーロのロールデビューも注目され賞賛された。Klein-Zachの歌はミニドラマだが、すごく表情豊かで、破綻のない声を意のままにしていた。正確で勝ち誇るような高音は突出した歌手たちを恐れる必要がない。アントニアでは、優雅に優しく歌った。最高にドラマチックなジュリエッタのフィナーレは爆発した。4時間ほとんど休みがないにもかかわらず疲れを知らなかった。1980年チューリヒのクラウスやシコフの最盛期1995年の声の洗練さはないが、若々しくはつらつとしていたのは確かだ。.................
結論:
 最悪のケースが、ずば抜けて素晴らしい夜になった。素敵な、ノーカットの音楽、繊細さに溢れ、偉大な歌手と刺激的なプロダクション、レッツゴー! 

3月16日追記分
Wenn der Teufel seine Finger im Spiel hat :Anna Kardos. 15.03.2010
『ホフマンのグリゴーロが登場すると特別な感じになった。空気を燃え上がらせた。生々しく人物を浮かび上がらせた。声は気持ちよく上昇。精巧に磨き上げられた声。輝くような情熱があった。クラインザックの歌では、まさにZackがそこにいた。物語のホフマンは文字通り作者のホフマンで、複雑で多面的な人物だ。』

NZZonline:Französisch auf Italienisch :Peter Hagmann/15. März 2010
『劇場は24時間内に3人の歌手を確保し、短時間のリハーサルで準備できたのはめでたいことだった。オランピアは、中国人。アントニア&ステッラは、Raffaela Angeletti 完璧なイタリア人(スイスで選挙権有り)押してるしビブラートがすごい。ジュリエッタは、Riki Guy 暗くて静か。神秘的で不気味。暖かい響きで落ち着いた伸びのある声。残念ながら声が小さい。
グリゴーロは、役を取り違えていた。たとえば、プッチーニのボエームのロドルフォ。好みじゃないとしても、才能があるのは確か。完璧な高音で歌う。耳にがんがん響くフォルテに何度も持っていく。しかし、小さくもする。すばやくピアニッシモに落とことができる。頻繁にやりすぎるので、うんざりする。ひどいミスキャスト。』
ミスキャストとは、この筆者のホフマンのイメージからかけ離れていたということなのか......こんなホフマン見たことない...ということなんでしょうが、だとすると、グリゴーロ独自のスタイルのホフマン、つまりイタリア的過ぎるという批判でしょうけど、もっと軽くミュージカル風に歌えってことかな....

※このレビューに対して、「NZZの批判の批判」という題でコメントを書いているブロガーがいます。このブロガーさんは、グリゴーロのホフマンの歌唱も演技も満足だったようです。また、「NZZは、もっともネガティブな批評の一つを公開した。オペラ上演についてこんなのは読んだことがない。指揮者を除いて、すべてが気にいらなかったようだ。」とコメントしている人もいました。

3月17日追記分
„Les contes d'Hoffmann“ am Opernhaus Zürichunter keinem guten Stern16.03.2010
これほどの配役は将来的にも望めないだろう。カリスマ的テノール、ヴィットリオ・グリゴーロは、声楽的にも役者としても、詩人ホフマンだった。繊細な陰影のあるピアからすごいフォルテまで....

Zürich is verliefd op Vittorio Grigolo Alessandro Anghinoni/15 maart 2010(オランダ語)
ヴィットリオ・グリゴーロは、チューリヒ歌劇場で愛されている。《ホフマン物語》のプレミエ(3/13)は不運続きであったが、グリゴーロは、その活発で洗練されたパフォーマンスで、スターとなった。.......この作品において、舞台上のレオナルド・ディカプリオのような若いイタリア人テノールのヴィットリオ・グリゴーロのホフマンは、全幕を通して、観客の心をつかむことに成功した。
(そりゃないでしょう...というゆなあんまりな訳がありましたらご指摘お願いします)

※トーマス・ラングホフ Thomas Langhoff

関連記事:[Les contes d'Hoffmann]

Zürich_ LES CONTES D'HOFFMANN, 13.03.2010.pdf
Wenn der Teufel seine Finger im Spiel hat - News Kultur_ Klassik - derbund.ch.pdf
Französisch auf Italienisch (Kultur, Bühne und Konzert, NZZ Online).pdf
Zürich is verliefd op Vittorio Grigolo.pdf

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kametaro07

あっと驚く!カメタロウ!
観にいきます!
ワケアリで今年限り、ありえないほど暴走します。
ベルリンにパーペとフローレスを聴きに行くのが一番の目的ですが、チケットが取れたらチューリッヒも!と密かに画策しておりました。
劇場に電話したのですが、行けそうな日がスポンサーが援助する特別価格の日で売り切れと言われてしまい、諦めかけていたところ、ネット上で一席だけ出てきたのです!
もちろん即ゲット・・・ヤッター!と大喜びでいます^^。
モシュクも私が行く時には元気で歌ってくれますように・・・。
Sen Guoはチューリッヒのアンサンブルなのですね。
リンデンの「魔笛」で夜の女王を歌ったのを聴きました。
とても小柄な人ですが、コロラトゥーラもバッチリ!上手でした。
グリゴーロを聴けるのが凄く楽しみです^^。
「ホフマン物語」はMETのライブビューイングを忙しくて観にいけなかったので、初めて鑑賞します。
相変わらずたいした感想は書けないと思いますが、写真は撮ってきますから、またメールします。
ピンボケにならないように落ち着いて撮りたいと思います^^;
新国の「神々の黄昏」も売り切れだったB席が販売されていて無事チケット確保できましたし、諦めずに頻繁にチェックするものですね。
by kametaro07 (2010-03-19 21:09) 

keyaki

kametaro07さん
おぉ..嬉しいですね。
舞台もなかなかよさそうですし....ね。

>スポンサーが援助する特別価格の日
Volksvorstellungというのですね。
めちゃくちゃ安い、3分の1なんですね。
これで確保できたということは運がいいですね。

>「ホフマン物語」はMETのライブビューイングを忙しくて観にいけなかったので、初めて鑑賞します。

新国では2回もやってるんですよ。再演はフォークト君で、かっこよかった...ってだけしか覚えてません。歌はあまり印象に残ってない。
モリスの悪漢4役は、人のいいおじさんで、凄みが希薄でした。あの頃は、体型もちょっと中年太りでコロコロしてたし。
初演は、ミミたこでしょうけど、新国ファン自慢の、ニクラウス/ミューズがエリナ・ガランチャだったんですよ。

>Sen Guoはチューリッヒのアンサンブル
そう....ちょっと前のカウフマンみたいなもんですね。アンサンブルでも主役級みたいです。
でも、マリリン・モンローにはどうなんでしょう....
やっぱり、モシュクの一人4役というのを見てみたいですね。

概ね評論家にも好評のようですが、一部にイタリア的過ぎるということでしょうか、ロドルフォだのマントヴァ公爵....プッチーニだのヴェルディだのに聞こえる...という批評があります。
ホフマン物語って、フランス的?それともドイツ的であるべきってことのようですが、よくわかりません.....ホフマン物語の歌唱スタイルってなにか特別なものがあるというのは知りませんでした。
kametaro さんの感想が楽しみです。

フローレスはリサイタルかな?
パペは、来日と同じ《トリスタンとイゾルデ》と、ビリャソンが出る《オネーギン》ですか.....これも楽しみです。
by keyaki (2010-03-20 00:02) 

kametaro07

帰りました。
大ブラボーでしたよ^^。
グリゴーロは声自体にすごく繊細な張りがあって、洒落っ気のある演技と共に、私にはイタリア的というよりむしろフランス的に思えるものでした。
確かに声量充分の高音のフォルテからピアニッシモ、またその逆といった歌い方、表現はイタリア的といえばイタリア的なのかもしれませんが、役になりきった自然なものでしたし、批判的な記事は書いた人の思い入れのようなものでしょう。
記事を書くのは他も溜まってしまってるのでちょっと後になりますが、メールで写真お送りします。
ものすごく良い席で見たのですが、カーテンコールで私の2列前の若者が一人だけ立ち上がってしまったのです;;;
私も立つしかないと思ったのですが、周りが年配の人たちばかりで立ちそうもない。。。後ろの人に悪いのでその若者を避けてなんとか撮って来ました。
グリゴーロくんは茶目っ気たっぷりでちっともじっとしてくれないし^^;
ということでせっかく良い席だったのに。。。またまたピンボケが多くてスミマセン^^;
by kametaro07 (2010-04-07 22:37) 

keyaki

kametaro07さん
お疲れさま....お帰りなさい。
写真届きました。ありがとうございます。ピンぼけでもなんでもよくとれていて、カーテンコールの雰囲気が伝わってきます.....モシュク姉さんも素敵ですね。彼女は、舞台メイクがすごく生きる顔だちですね。
モシュクは、最後の3回を歌う予定でしたが、結局、31日と3日の2公演だけだったんですよ。 kametaroさんは本当に運が良かったですね。いい席がとれて、しかもサービス料金だったんですよね。

モシュクと、小太りのメゾソプラノさんと来年は《ノルマ》ですが、演出がボブなので、がっかりなんですが、いつも動き回っているグリゴーロが、あんな能のまがいもののようなポーズをするんでしょうか.....

レポート記事は、他のも楽しみにしています....旅の疲れをとってゆっくり書いて下さい。

by keyaki (2010-04-08 00:41) 

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