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Gastspiel: La bohème ミュンヘンからパリのシャンゼリゼ....一日だけの出張公演 [ボエーム La Bohème]

◎「篠の風さんの日記」に演奏会の記事がアップされました。客の入りも良く、観客の反応も上々だったそうです。2009年12月15/ Bohème (パリ・シャンゼリゼ劇場)(2009.12.17追記)

ラジオ・フランスの朝の番組"Musique Matin"で今晩シャンゼリゼ劇場で演奏される《ボエーム》のお知らせをしています。右の音声ファイルは、パヴァロッティの"Che gelida manina" それから、ヴィットリオ・グリゴーロの紹介とトーク(コメントに日本語訳があります)、"De miei bollenti spiriti"と続きます。(2009.12.16追記)


★2009年12月15日 シャンゼリゼ劇場《ボエーム》演奏会形式 バイエルン国立歌劇場出張公演
AnjaHarteros.jpg 指揮:Asher Fisch
Mimi: Anja Harteros
Musetta :Elena Tsallagova
Rodolfo: Vittorio Grigolo
Marcello: Levente Molnár
Schaunard: Christian Rieger
Colline: Christian Van Horn
Parpignol: Nam Won Huh
Benoît: Alfred Kuhn
Alcindoro: Rüdiger Trebes
Bayerisches Staatsorchester
Chor der Bayerischen Staatsoper
gri_15.jpg

 バイエルン国立歌劇場では、12月15,19,22,27,30日に《ボエーム》を上演しますが、15日は、オーケストラ、合唱団を引き連れての大移動強行軍、花の都パリのThéâtre des Champs-Elyséeで演奏します。なぜ、わざわざこんなことをするのか......謎....団員の方たちはパリに一泊するそうですが、赤字にならないんでしょうか?

 篠の風さんの日記によりますと、13日には、オーケストラ合わせにヴィットリオ・グリゴーロもミュンヘンに来たそうです。ミミは、アニヤ・ハルテロス(1972.7.23生)、新国の2005/2006シーズン開幕公演の《ニュルンベルクのマイスタージンガー》でエーファを歌っています。スーパーモデルのように背が高くて、品のいいお嬢さんという雰囲気でした。最近では、ドミンゴの《シモン・ボッカネグラ》でのアメリアとか、ヨナス・カウフマンのアヒルを抱えた大工の《ローエングリン》のエルザを歌い話題になりました。

 グリゴーロは、シャンゼリゼの公演だけで、後のミュンヘンでの公演はマッシモ・ジョルダーノです。なぜ一日だけシャンゼリゼがグリゴーロなのかは、多分マッシモ・ジョルダーノは、パリ・オペラ座で11月29日までロドルフォを歌っているからではないかと思います。いくらなんでも集客が難しくなると思いますから......しかし、そこまでしてパリで《ボエーム》をやるのはなぜでしょう......謎は深まります。

 採算がとれるのか気になりましたが、シャンゼリゼ劇場は、2000席もあるんですね。チケット料金は125€〜5€、これなら客の入りがそこそこであれば充分採算がとれると思います。ということはこれは「出稼ぎ」ということなんでしょうね.....

◎ヴィットリオ・グリゴーロのロドルフォ・ハイライトYouTube再生リスト:La Bohème-WNO2007 - Vittorio Grigolo

関連記事:
ヴィットリオ・グリゴーロ 今後のスケジュール追加・変更(2009.9.15)
[ボエーム La Bohème]

メモ:音声ファイルの内容
8h08 - Musique Matin. Seconde partie/Avec Vittorio Grigolo, Kirill Karabits et Jordi Savall
1.CD - Giacomo Puccini/La Bohème/Acte I - "Che gelida manina"/Luciano Pavarotti, ténor /Orchestre philharmonique de Vienne, dir.Herbert von Karajan/Decca 421 049-2 (1972)
2.Vittorio Grigoloのトーク
3. Giuseppe Verdi/La Traviata/Acte II - "De miei bollenti spiriti"/Vittorio Grigolo, ténor/Orchestre philharmonique de Radio France, dir.Myung Whun Chung/Bande non commercialisée (Orange, 11 juillet)


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コメント 4

【篠の風】

パリ公演のエントリをアップしました。
熱心に追っかけをなさっているkeyaki さんに水を掛けるようなことを書いてしまいましたが、他意はありませんのでお気を悪くしないでください。エントリの中で書きましたように彼が近来の逸材であることは疑いのないことですし、大きなテノールになって欲しいとも思います。
by 【篠の風】 (2009-12-17 06:22) 

keyaki

篠の風さん
お知らせありがとうございます。
どんな感想でも楽しみですので、大丈夫です。
お気づかいありがとうございます。
さっそく拝見させていただきます。
by keyaki (2009-12-17 09:45) 

助六

この公演の芸術的・興行的意図は見当つかんですねぇ。私も興味シンシンで劇場側に問い合わせてますので、何か教えてくれたらお伝えしますが。バイエルンは来シーズンも来演の話があるようですから、一定の客演契約を結んだのかも知れません。

クリスマス前は例年劇場の入りは悪い上に火曜日、元々パリでオペラの演奏会形式上演は人気がガタッと落ちる上バスティーユの「ボエーム」舞台上演直後ですから、7-8割の入りを予想してましたが、結果は9割強で私には意外、グリゴーロもハーテロスもフランスで大衆的知名度はなく、集客力は限られてますから、興行的には上出来と言えるでしょうね。チケットは直前でも全ランク残ってました。

グリゴーロは一人燕尾ではなくジャケットに蝶ネクタイ姿で登場、薄髭を伸ばしてたのは「海賊」公演のためでしょうか。最近の演奏会式上演は相当演技つけることが珍しくないし、今回も私は動きが多いのはまったく気になりませんでした。ミミとの出会いの場で「女だ!」と飛び起き、鏡こそないもののあわてて身づくろいする演技は今回も同じ。終幕ミミは椅子に腰を降ろし、ロドルフォを膝にすがらせて死んでいきました。

小生の感想は【篠の風】さんのところに「Verdiano」名前で(ネットに慣れない頃ウッカリ使ってしまったこのHNをそのまま続けてます。その後はアルファベットやカタカナ書きは基本的に避けてます。何より漢字の方が一目で分かりやすいので。失礼しました。)簡単に書き込ませて頂きましたが、第一声からフェニーチェでのアルフレードとは異なった印象を受けました。
フェニーチェ最上階席からは中域が豊かなふくよかさのある声が予想外でしたが、今回(2階席から)はやはり高域に重点があり鋭さのある声に聞こえました。まあこういうことは劇場の音響、座席の位置、役の違いでよくあることではあります。
歌唱もアルフレードで感心した慎重で端正なスタイルというよりも、よく言えば自由自在、見方によっては奔放で強調感の強いスタイルに意外感を覚えました。私には根本的発声技術の問題か、彼が経験の多いロドルフォであるが故の自在闊達さかは判断する能力がありませんし、もう少し他の役で聴いてみなければ何とも申せません。
紹介して下さってるチューリッヒの仏評読んでみましたが、グリゴーロだけが目立っていたとは思わないけど、私の印象はこの評に結構近いです。ロドルフォとアルフレードの役デビューはそれぞれいつなんでしょう?
ただ「冷たい手」はアルフレードで感じたような丁寧な歌唱でした。高音は僅かにキツさを残してたけど、原調ですから立派なもの。先日のバスティーユ上演でもまた下げてましたしね。

全体としては、ハーテロスもグリゴーロも水準をはるかに越える出来、オケ・合唱も強行軍の疲れを感じさせない堅固な演奏で大変楽しめました。仏オタク客連もずらりと出てきてましたが、皆さん基本的に満足してましたね。

検索したら、パリ公演評は見つからなかったけど、彼は1月9日に意外やヴィースバーデン(フランクフルト近く)の「ボエーム」年頭ギャラ舞台上演にガリャルド=ドマスと一緒に出るみたい。ヴィースバーデンとしては大奮発でしょうね。
値段も安いのにチケットごっそり残ってるみたいで、急に決まったんでしょうか?
http://www.staatstheater-wiesbaden.de/?page=spielplan_detail&eventDateId=6787860

面白いラジオ放送をご紹介頂き感謝です。

彼の演奏美学みたいのを語っていて、彼のアルフレード歌唱にはそれなりに対応しているようにも思え面白いので紹介します。誰か先生から言われたことかも知れないけどね。
「歌を始めた時、人は灯りがない真っ暗な道で道筋と光を探すような気分になります。歌を学ぶのは毎日新たなろうそくを点していくようなものです。人は生れた時には完璧な呼吸と発声のテクニックを備えています。赤ん坊の声は横隔膜にしっかり支えられていてだから3キロ先でもはっきり聞こえるのです。でも人はその後大きくなるとそのテクニックを浪費してしまい、横隔膜使用も忘れてしまう。歌というのは我々のルーツ再発見みたいなところがあるのです。あるべきものはすでにすべてあるわけで、我々の内に元からあるものを再発見することが必要なのです。ちょっとミケランジェロの詩学(作品製作術)に似ています。ダビデはすでに自分の内にあり、素材は必要だけど、そこから余計な部分を除きさえすればよいという」。

あとナレーターが、「ソニーと独占契約を結んだところで、昨日確認を取ったがヴェルディとプッチーニのディスクが来月録音され、春に発売予定」というニュースを紹介しています。

by 助六 (2009-12-20 10:44) 

keyaki

助六さん
毎度ありがとうございます。
1月9日って、一日だけですか....なんなんでしょう....16日からはシチリアでファウストの予定ですけど......

>「ソニーと独占契約を結んだところで、昨日確認を取ったがヴェルディとプッチーニのディスクが来月録音され、春に発売予定」

これって嬉しい大ニュースです。
デッカだかユニヴァーサルだかフィリップスだかのすでに録音済みのアルバムはどうするんでしょう。ソニーに買い取って発売してほしいですね。

グリゴーロのトークの訳ありがとうございます。子供の頃から、おそらく最高の音楽教育を受けているので、こういう話しも自然に出てくるんでしょうか....かなり哲学的.....赤ちゃんの泣き声の話しは、オーストラリアのラジオ放送でも、物まね入りで話してました。

「Verdiano」さんのコメントを読んで、これって助六さんじゃないの...と思いましたが、世の中には似た人がいるし.....もし助六さんだとしたら、私の記事にもきっと感想を書いて下さるはずだし、多分都合がつかなくてご覧になってないんだろうな....とか....いろいろ考えをめぐらせていました....やっぱり助六さんでしたか.....
オペラの好きな人たちの輪は狭いですね。(笑

今回のコンサートは、かなり利益がでたと推測します。演奏会形式で一日だけの公演というのがよかったんだと思います。

>ロドルフォとアルフレードの役デビューはそれぞれいつなんでしょう?

アルフレードは2007年4月末ローマ歌劇場、ゼッフィレッリ演出の椿姫、その後、2008年9月チューリヒ中央駅、2009年6月オランジュ、9月フェニーチェ...たったのこれだけ。
2000年頃から、アルフレードを歌わないか...という話しはあったそうですが、歌いたくなかった...とか。今は大人になってアルフレードを理解できるようになったから歌っているんだそうです。

ロドルフォは、2007年9月ワシントンナショナルオペラの開幕公演、多分ドミンゴの大抜擢だったとおもいます。
その後は、2009年5月北京、10月チューリヒ、12月シャンゼリゼ....たったのこれだけ。

ロドルフォは2006年にバレンシアで歌う予定でしたが、PoperaCDアルバム販売促進ツアーで流れたようです。この頃のインタビューで、ギャラはいらないからロドルフォを歌いたいって言ってます。ドミンゴは、2006年にロンドンでグリゴーロの歌を聞いてますので、その時に、来シーズンWNOでボエームに出ない?なんて話しがあったのではないかな....と想像してます。
by keyaki (2009-12-20 12:59) 

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