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オペラ雑誌"L'opera" 9月号(魅力的なグリゴーロのアルフレード)★☆アルフレードとマンリーコ [La Traviata オランジュ音楽祭]

News!2010年6月22,25,28/7月1,4,7日コヴェントガーデン《マノン》出演 共演はネトレプコだって.....ビリャソンどうしちゃたんでしょう...(2009.10.9)

 イタリアのオペラ雑誌9月号にオランジュ音楽祭のレビューが掲載されました。アルフレード=ヴィットリオ・グリゴーロについては、否定的批判ゼロです。いつものいい加減な訳ですが.....

『ヴィットリオ・グリゴーロは、美しい若者で、完璧なスタイルをした血気盛んで情熱的なラテンの恋人であり、際立ったテノール声と響きの美しさにも恵まれ、歌唱方法も適切で非常に満足のいくものだった...また、発声とか音のポジションとか音色の効果を更に磨けば、本当に興味深い声楽的次元に達することができるだろう。とにかく、素晴しく幸せな瞬間には事欠かない....それは、生き生きした演劇センス、よく考えられたフレージング、正確な意図、のびのびした演技によって支えられたものである。』"L'opera"9月号

 グリゴーロは2007年ローマでゼッフィレッリ演出2008年にはチューリヒ中央駅で、そして、2009年には、この"L'opera" 9月号にレビューが掲載されたオランジュ音楽祭とレバノンのバールベック神殿で、それから9月にはヴェネツィアのフェニーチェでアルフレードを歌い好評でした。元々アルフレードには共感できなくて歌いたくない役だったそうです。今は、主なレパートリーの筆頭ですが、アルフレードは実際には非常に強い性格の人物ととらえて歌っているとか......このことは、フェニーチェでグリゴーロのアルフレードをご覧になった"PR学科長さん"が、「非常に男らしいアルフレードだった......ぜひともマンリーコを歌って欲しい....」という感想をブログに書かれていますし、「グリゴーロは、非常に注目に値する才能があるがアルフレードというよりはマンリーコ.....」という感想もネットで見つけました。

「あなたにとってアルフレードという役はどんな意味がありますか。」という質問には、次のように応えています。
『正直に言って、この役は全然歌いたくなかったです。2000年にフランコ・ゼッフィレッリからの話でさえ断ったほどです。ゼッフィレッリはブセートで私でや りたかったのです。当時はこの人物を理解できないと思ったのです。アルフレードは非常に愚かで弱い男だと考えました。そして、私はとても情熱的で、ロマン チックで、その上、すぐに興奮します。私にも気弱な面もありますが、とりわけ舞台の上ではものすごく活動的です。だから、いつでも英雄的な役を演じたいのです。でも、2007年にローマでゼッフィレッリの演出でアルフレードをやりました。 そして、その時に、アルフレードは実際は非常に強い性格の人物であるとわかりました。当然弱さも持ち合わせています。とりわけファーザーコンプレックスが 強い。しかし、あの時代にヴィオレッタのような女性に夢中になって、単に関係を持ったのではなく、心から好きになったのだと私は思います・・、最後には当 然結婚するつもりだということは、絶対に勇気が必要です。アルフレードは、マグダラのマリアを抱きしめたキリストのように思われることがあります。なぜなら、彼はヴィオレッタに世間的なものとは別の清らかさを見出していたのです。これもまた成熟した愛の形です。こういうことを理解するには、2000年の私はまだ若すぎました。』ードイツのオペラ雑誌"OPERNGLAS"のインタビューから

"La traviata":"Oh mio rimorso! "
Alfredo.....Vittorio Grigolo
2009.7.15 オランジュ音楽祭

"Il trovatore":"Di quella pira..."
Manrico ...... Marcelo Alvarez
2009.2.28メトロポリタン(半音下げ)

2006.5.1パルマ
マルセロ・アルバレスのロール・デビュー
パルマでは楽譜通りで最後はハイC(Do)に上げて終わっている
 本人が語っているようにグリゴーロの役作りは今風に言えば「草食系アルフレード」ではなく「肉食系アルフレード」ということなんですね。確かに「男らしいアルフレード」は音楽的にマンリーコに繋がります。
パリ郊外で、ヴィオレッタと暮らしはじめた幸せいっぱいのアルフレードが、ヴィオレッタが財産を売って、生活費を工面していることを知って「何てこった!取り戻しに行くぞ!」と歌う"Oh mio rimorso! oh infamia!"とトロヴァトーレの「母さん! 助けに行くから待ってろよ〜」....は、状況的にもそっくりで、最後が、伝統的にハイCに上げて終わるのも同じ......両方音声ファイルをアップしてみます。もちろんグリゴーロはまだレパートリーにしていませんので、マルセロ・アルバレス(1962.02.27-)のマンリーコです。グリゴーロで聞いてみたいです.....ね。

最新のマルセロ・アルバレスのトロヴァトーレをアップしたら、あらら、半音下げでした。メトはなんでも半音下げが横行しているようです。丸ちゃんもパルマではちゃんと楽譜通りに歌って、最後はハイCに上げているんですけど.......パルマの録音を追加でアップ、メトの半音下げもそのままにしておきます。


参考:
その他のアルフレード:Vargas, Kaufmann,Villazón,MP3
関連記事:

[La Traviata オランジュ音楽祭]
[La traviata フェニーチェ2009]


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コメント 8

Sardanapalus

>「男らしいアルフレード」は音楽的にマンリーコに繋がります
勝手に想像してみましたが、良さそうですね。もちろん長く歌っていくためにもロールデビューはあせらずにしてほしいですが、声も見た目も良く似合うと思います!

>メトはなんでも半音下げが横行
ハコが大きいからでしょうか?それとも半音でも下がっていると歌手が安心できるとか??良く分かりませんが、やっぱりこういうキメのアリアは楽譜通りの音で聴きたいなぁ~と思ってしまいます。
by Sardanapalus (2009-10-08 19:48) 

keyaki

Sardanapalusさん
本人は、レパートリーには慎重なようですが、それでも外野は、あれは歌うなこれも歌うなって、いつまでもネモリーノだけ歌ってればいいみたいなことになっちゃいますよね。
私も、グリゴーロのアルフレードは、ずいぶん男っぽいと感じていたんですけど、マンリーコ...という連想はしませんでしたが、作曲もトロヴァトーレの次が椿姫ですから、音楽的にも似ているふしもあるな....ですね。

マンリーコって、結局、"Di quella pira..."で失敗すると目立ちますよね。かといって、クーラのように楽譜通りに歌うと観客ががっかり....で、かえって騒動になったりするので、ドミンゴ大先生も認めている半音下げ...ということなんでしょうね。
たまたまあのステュアート・ニール君が失敗したのが放送されちゃいましたが、やっぱりぶざま....というかあれでは太っている意味がない(笑
しかも自信があったのか繰り返しヴァージョンで歌ってるんでスタミナ切れですね。自分を過信しすぎたというか、これをやらなければ自分がデブでいる意味がないということを自覚してるんでしょうね。
バスとかバリトンに比べてテノールはやっぱり大変だな....と思います。

かわいそうなニール君の音声ファイル、いずれアップしますね。失敗したのはめずらしいですからね。
by keyaki (2009-10-08 22:12) 

kametaro07

ROHはデビューですか?
一気に人気がうなぎ登りになりそうですね。
この時期渡欧予定なので、ロンドンも行く気マンマンになってしまいました。
セビリアと日程が詰まってしまうのでハードスケジュールですが、乗り切って美声を聴かせてくれますよう・・・・。
それにしてもビリャソンは来年6月の公演もキャンセルとは大事です。
by kametaro07 (2009-10-10 10:59) 

keyaki

kametaro07さん
先の話しで、オペラは水物ですが、ぜひぜひスケジュールに加えて下さい。
ROHデビューは2011年の予定でしたが....今までネトレプコはうまくかわしてきた...と思ったんですけど....まあ、仕方がないですね。
最近はマスネのマノンが流行っていますが、プッチーニのマノンの方が好みなんですよ....これを機会に好きになるかもしれませんけど.....ネトレプコとかナタリー・デュセのも映像でざーっと流して見ましたが、面白くかった...
でもROHなら放送もあるでしょうから楽しみです。

しかし、9ヶ月も先なのに、ビリャソンはぜんぜん見通しがたってないということですね。手術は成功....とか言ってますが.....地元で徐々にならしてから大劇場に復帰するつもりなのかしら....確か、ナタリー・デュセもあれはポリープだったかな、あっというまの復帰だったですよね。
by keyaki (2009-10-10 11:38) 

ペーターのファンです。

マノンですか、期待がふくらみますね。ただしネトレプコにはちょっと悪い予感がします。どんなマノンになるのか、もろに娼婦になっちゃうと悲しいですが、そもそもちゃんと歌うのかしら?(初日だけとか・・・)

男らしいアルフレードなのはたしかですけれど、マンリーコは想像の範疇に入らなかったです。なんというか、考えてなさそうな単細胞な男の印象で、グリゴーロの個性と結びつかなかった感じです。
個人的にはロマンティックで感受性のある人物の役を歌ってくれると嬉しいですが、声も容姿も文句なしのマンリーコは実現するとかなり貴重な存在になりますよね。
by ペーターのファンです。 (2009-10-10 22:39) 

keyaki

ペーターのファンさん
ネトレプコはビリャソンお相手にウィーンとかベルリンとかだったかな...で歌ってます。最近プッチーニのマノン・レスコーではなくてマスネのマノンが流行っているのはネトレプコのせいかな...と思っています。
お目出度にでもなっていただきたいです。

私もマンリーコはぜんぜん思いつかなかったです。ボニゾッリとかのイメージですけど、本当は吟遊詩人ですから.....
でもこの役は40過ぎて歌う役らしいです。
by keyaki (2009-10-11 00:32) 

euridice

マスネの「マノン」映像をいくつか一応見てますけど・・ 音楽も全然耳に残らないし、筋も把握できません。プッチーニの「マノン・レスコー」はけっこう面白いと思います。原作もそこそこおもしろいかなぁ・・

>ネトレプコは
ウィーンのお相手はアラーニャ、ベルリンがビラゾン
どちらもクラシカジャパンで放送されました。
ぼんやり覚えているのは、いかにもの厚化粧の両マノンと
神父のカッコウしたアラーニャ・・妙にはまってたような・・

アルバレスが出るというので録画したのは、あまりの似合わなさというか
つまらなさに早々に挫折したままです。調べたらマノンはフレミングでした。
全然覚えてません・・

初マノンはベヴァリー・シルズでした。何、これ?!の世界でした・・
デグリューは若くて可愛いテノールでした。名前は忘れました。

私には向いてないオペラってことですね^^
グリゴーロだったら印象変わるかしら・・

by euridice (2009-10-11 23:21) 

keyaki

euridiceさん
私がオペラに夢中になった頃は、マノンといえばプッチーニのマノン・レスコーでした。やっぱりネトレプコ用じゃないのかしら.....

>グリゴーロだったら印象変わるかしら・・
そうあって欲しいですけど.....

by keyaki (2009-10-13 15:03) 

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