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ヴィットリオ・グリゴーロのカッシオ・ハイライト(1) [オテロ]

 2006年2月9日から27日全7公演、バルセロナ・リセウ大歌劇場、ヴィリー・デッカー演出、ホセ・クーラ主演の《オテロ》にカッシオ役で出演。カッシオは、テノール歌手がデビュー間もない若いときによく歌う役です。ドミンゴも(クーラも)歌っています。グリゴーロの場合、若い(28〜29才)とはいえ、すでに《愛の妙薬》のネモリーノ、《コジ》のフェランド、《リゴレット》のマントヴァ公爵...というように主要キャストを歌うテノールに成長していましたし、2006年3月発売の"pOpera"のアルバム発売に向けての忙しい時期(プレミエ前日にロンドンでアルバム宣伝のためにTV出演している)でしたが、それでもこの公演に出演したのは、それだけ魅力的な《オテロ》だったということだと思います。
 カッシオの部分だけのハイライト版を作りました。下の写真をクリックするとビデオクリップにリンクしています。

1幕1場:ここは、最初にちょっと歌うだけですが、最後の最後までカッシオを目立たせる演出になってます。


1幕2場:シャツを脱ぎます.....酔っぱらいぶりも、髪を引っぱられたり、足蹴にされたり..のいじめられぶりもなかなかのものです。.

 ホセ・クーラ(1962.12.05-)のオテロは声も容姿も本当にはまり役ですし、ラド・アタネリ(1964-)の一見人の良さそうなヤーゴも、クーラの個性的で強烈なオテロとの相性がいいですし、演出のヴィリー・デッカーは、カッシオをキーパーソンとして描いています......グリゴーロが勝手に目立っているわけではありません。この《オテロ》は、男3人、オテロ、ヤーゴ、カッシオが映画にしてもいいくらい役柄にピッタリはまっていて、スカッとします。オペラにつきもの?の、「なんでこんなやつが....」というもやもや感がない....貴重な《オテロ》といえるでしょう。

 交流ブログのりょーさんの記事『クーラのオテロのDVD』が参考になります。リセウのフリーペーパーのデータをもらいましたが、リハーサル風景の写真には、カッシオ(ヴィットリオ・グリゴーロ)の写真が数枚あります。このことからも、演出家が、いかにカッシオを重要な役ととらえているか推察できるというものです。だって、普通は脇役の写真を載せたりしないでしょ。

※参考Otello libretto  スコア

関連記事:クーラ主演《オテロ》のカッシオ



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コメント 5

ペーターのファンです。

知らずに見たら、またグリゴーロは一人で目立ってる~と思うところです。僕の出番だとばかり、この演出だから出たかったんでしょうね。演出を生かすも殺すも歌手しだい、いつもそれを見せつけてくれます。
ところで、グリゴーロはよく上半身裸になってますね。ホフマンに劣らず見事な筋肉ですが、これだけ良い身体だと演出家も脱がせてみようと思っちゃうのでしょうか。

by ペーターのファンです。 (2009-04-20 21:58) 

りょー

演技も出来る納得のカッシオだからこそ、出来た演出だと思います。
DVDにしてくれて良かった!!

それにしても、クーラもドミンゴもカッシオを歌ったことがあるんですか?!知りませんでした~。なんだかどちらも、想像するとオモシロいですね^^
by りょー (2009-04-20 23:35) 

keyaki

ペーターのファンさん
オテロの映像はほとんど見てますが、あの酒盛りの場面で、カッシオがあんなに歌っているとは....グリゴーロのカッシオを聞くまで、ぜんぜん知りませんでした。
このあとの、ヤーゴの策略で、オテロに、カッシオがデズデーモナと関係あるように思い込ませる場面のグリゴーロは、とっても表情がかわいいですよ。順次アップしますので、乞うご期待!です。

あのくらいの体格じゃないと裸になってほしくないです。先日見た、ワルキューレの死体たちが、皆さん全く筋肉なしだったので、裸になってほしくなかったですもの。(笑
だいたい酔っぱらうとシャツを脱いじゃうってのが定番のようですね。
by keyaki (2009-04-21 00:35) 

keyaki

りょーさん
クーラはカッシオ歌ってないですか....りょーさんに教えてもらったような気がしてました....オテロがドミンゴでクーラがカッシオなんですけど......りょーさんが知らないとなると、私の思い違いかもしれませんね。
ドミンゴは全公演のキャストをHPに載せていたのに、今は、ロールデビューだけで、しかも共演者は載せてないんですよ。

ドミンゴがカッシオを歌ったのは、 1960年19才、オテロは1975年34才、これは間違いないです。
by keyaki (2009-04-21 00:44) 

euridice

日本語字幕があると一段と良い^^+++です。

グリゴーロがいたら、ゼッフィレッリは映画版オテロのカッシオに選んだでしょうね。あのカッシオはたしかにハンサムだけど、オペラの中ではあまりしっくりしていないような気がして、せっかくのこだわりが効果が薄いように思います。

>カッシオがあんなに歌っている
私が注目したことのあるカッシオはポーランド来日のカッシオでした。
歌手さん自身はどうということのない、多分劇場専属のおじさんだったみたいですが、扮装&演出効果ばっちりでした。少なくとも私に存在感絶大、非常に気に入りました・・ クーラオテロにはかっこいいカッシオじゃないとお話のつじつまが100%合わない・・ということ^^+

>ワルキューレの死体
世界の英雄を集めているにしては・・って思っちゃいますね。でもまあ、
死体だから影が薄いということで・・.. 水ぶくれのおデブさんよりはいいんじゃない?
by euridice (2009-04-21 08:17) 

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