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悪趣味!たいくつさせない独創的な『ワルプルギスの夜』...マクヴィカー演出 [ファウスト]

★3月には出すと約束した"new アルバム"はどうなってるの...というpOperaファンの詰問に対してグリゴーロのコメントが出ました。期待されるのもつらいわね....オペラアリア集も出して下さい!この方が簡単でしょ。(2009.3.29)

★CD発売のニュースもないし、グリゴーロもどこでなにをしているやら...というのでファン・フォーラムの常連さんたち、しびれをきらしているようですが、昨日フォーラムにメッセージがありました。CDについてはなにも言及していませんが、《海賊 il Corsaro》、ベッリーニの《海賊 il Pirata》ではなくてヴェルディの《海賊》をお勉強中だそうです。恐らく2、3年後にどこかで歌う予定なんでしょうね。来シーズンはチューリヒで《ルイザ・ミラー》もありますし....(2009.3.28追記)

 グノーの《ファウスト》の5幕前半の『ワルプルギスの夜』というバレエはカットされる場合も多いようです。普通は次々と美女、クレオパトラとかトロイのヘレン、フリネが登場して官能的な踊りでファウストを誘惑するという趣向で、7曲もあって、続けて演奏されますが、その都度、拍手もあったりしますので、約20分くらいかかります。はっきり言って、けっこうたいくつなものなので、カットすることも多いということなんでしょう。

↑写真をクリックするとYouTubeにリンクしています。ここまでは、バレリーナも皆可愛らしい....
最初のメフィストと合唱の「夜が明けるまでは」が好きです。
 バレンシアでグリゴーロが歌った《ファウスト》は、2004年にコヴェントガーデンで上演されたマクヴィカー演出のものですが、この『ワルプルギスの夜』が、実にユニーク。マクヴィカーは、若返ったファウストがやってきたことをこのバレエで再現、最初は、かわいらしいバレリーナたちが優雅に踊ってますが、そこに大きなお腹をかかえた臨月の踊り子登場.....皆に笑い者にされ、いじめられます。次にファウストが殺したヴァレンティン登場、またまた踊り子たちにからかわれ刺されます。その後は、踊り子と見物客の男たちが、ハチャメチャ乱痴気騒ぎ...はい、いつものマクヴィカー調の悪趣味だけどたいくつじゃないユニークな『ワルプルギスの夜』なんです。それから、メフィストはクレオパトラとかの美女に混ざって、「美女」になってます。コヴェントガーデンでは、ブリン・ターフェル、バレンシアではシュロットが女装を披露しています。
 バレンシアの劇場のサイトに写真がたくさんダウンロードできるようになっていますので、せっかくですから、写真をつなぎあわせて音楽をつけてみました。グリゴーロ&シュロットのは残念なことに手に入りませんので、2004年のアラーニャ&ターフェルのを使わせてもらいました、ターフェルのゲテもの「そのまんま女装」も捨て難いので、最初にちょっと残しておきました。みとれちゃいますよ。

↑写真をクリックするとYouTubeにリンクしています。
ここからマクヴィカーお得意の悪趣味のはじまり、はじまり〜ファウスト君もいやがってます。

 コヴェントガーデンとバレンシアで、違うところを発見。最後にマルガレーテが赤ちゃん(人形)をかかえて出て来て、バレリーナさんたちが、奪ってくちゃくちゃにするんですけど、バレンシアでは、マルガレーテが抱いている赤ちゃんもきれいな白い布でくるんでましたし、その赤ちゃん(人形)を小さな棺に入れます。それから、お約束のマルガレーテの首の赤い紐がなぜかROHの初演ではしていませんでしたが、バレンシアでは首に赤いリボンをしてました。これはフィナーレの牢の場面でも同様でしたが、まさかマルガレーテ役のゲオルギューの衣装係さんが忘れた...なんてことはないですよね。すでにROHでは再演しているようですが、どうだったんでしょう。アラーニャとグリゴーロを比べると、アラーニャが子供体型で年をくってるのにカワイイです。グリゴーロはスタイルがいいですね。

バレエは、以下の7曲ですが、マクヴィカー演出では、多分2番目の曲をカットしています。あんまり長いと、やり過ぎになっちゃいますから、その方がいいでしょう。
1.ヌビア人の踊り
2.クレオパトラと黄金の杯
3.ヌビア奴隷の踊り
4.クレオパトラとその奴隷たちの踊り
5.トロイの娘たちの踊り
6.鏡の踊り
7.フリネの踊り

★今まで視聴した(TVとかDVD)マクヴィカー演出のオペラ:
・シェーファー&M.アルバレスの《リゴレット》:
NHKが放送するのに、一部映像を差し替えたほどの場面がありました。(男の全裸?)
・フォン・オッターの《カルメン》:
インテリ然としたオッターがいやらしいオレンジの食べ方をしたり、妙な踊りを踊った。
・《魔笛》:
これは悪趣味な場面ってあったかしら?
・ザルツブルグ音楽祭《ホフマン物語》:
ホフマンが薬中毒の設定、ルッジェーロ・ライモンディが悪漢4役だったので、BSでの放送を期待したが、未だにされてない.....
《ドン・ジョヴァンニ》もありますが、すぐに思いつくのは以上の作品かな....
※最初の文章中でもリンクしていますが、交流ブログ”FOOD FOR SOUL"にマクヴィカーについての記事『売れっ子オペラ演出家、デイヴィッド・マクヴィカーについて』があります。

ついでに:
グノーの《ファウスト》のメフィストはバス歌手の重要なレパートリーですので、ルッジェーロ・ライモンディも若い時から歌っています。ロールデビューは、1966年(24才)フェニーチェ座、ピエロ・ファジョーニ演出で、大成功をおさめました。この「ワルプルギスの夜」は、カットされたり短縮されることが多いのですが、1971年のNYメトロポリタン歌劇場の公演の録音(inHousu)がありましたので、バレンシアの舞台写真のBGMにしてみました。写真もiMovieで動かしてみました。ほとんどシュロットですが、アップにしてもかなりの美女ぶりじゃないですか....YouTubeでご覧いただけます。
★NYメト,1971.10.4,Alain Lombard指揮,Domingo,Renata Scotto,R.Raimondi, Kostas Paskalis,Frederica von Stade
ライモンディのメフィストは、ミュンヘンでも大人気だったとか...YouTubeにちょうどこの場面がアップされていました。私も映像で見るのははじめてです。バレーのカット版です。Francisco Araiza sings FAUST Nuit de Walpurgisフランシスコ・アライサのファンのようです。簡単に誰でもビデオをアップできるようになって、貴重な映像が出て来ますね
★ミュンヘン,1988.1,Giuseppe Patane指揮,Pier-Luigi Pizzi,Francisco Araiza,Carol Vaness,,Ruggero Raimondi

 
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コメント 5

euridice

同じ公演の演奏じゃないのが残念ですけど、音楽がついたうえに、うそっこでも動きがはいると、写真をながめるのが一段と楽しくなりますね^^
by euridice (2009-03-29 06:35) 

keyaki

euridiceさん
ズームできるのがいいですよね。
グリゴーロ君のファウストが聞きたいです。一幕の老博士の時と青年に変身した時と、声を変えている歌手っていないんじゃないかな。
by keyaki (2009-03-30 16:52) 

Sardanapalus

わざわざマクヴィカーの記事のリンクをありがとうございました。いつか、マクヴィカーの演出するオペラの初演にグリゴーロが出て欲しいと思います。

若手歌手での公演、見た目だけでなく音楽もエキサイティングだったことでしょう。写真がいっぱいあるのに音はなし、というのもじれったいものですね。どこかで放送されたりしないのかしら。
by Sardanapalus (2009-04-01 20:42) 

keyaki

Sardanapalusさん
平均年齢30そこそこというところでしょうか。写真は4,5枚でもいいから、聞きたいです.....
やまほどある写真が、ちゃんと順番に並んでいなかったので、コヴェントガーデンのビデオをチェックしたので、キーンリーサイドが、ふらふら出てきて、また刺されるところを何度も見ました。歌ってなくてもうまいです。役者ですね。
by keyaki (2009-04-02 10:26) 

Sardanapalus

私も、keyakiさんの記事でこの演出をまた見たくなってしまい、ひっぱり出してきて好きなところだけ見てしまいました(^^)やっぱりこの思いっきりエンターテイメントしている演出大好きです♪ワルプルギスの場面は、怖いもの見たさなのか、悪趣味な部分だけ繰り返し見てしまいます(^^;)ダンサーも、キーンリーサイドも(演技をお褒めいただいてありがとうございます)上手いのでファウストがカワイそうになってしまいますね(小柄なアラーニャだと余計に…)。ROHの映像は、DVDになる、なる、と言われ続けて結局まだなっていませんが、どうなってるんでしょうか。
by Sardanapalus (2009-04-03 20:01) 

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