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グルベローヴァの《ルクレツィア・ボルジア》に急な代役:グリゴーロのジェンナーロ [ルクレツィア・ボルジア]

★グリゴーロのHPのゲストブックに「ありがとう!」メッセージが掲載されました。(02/03/2009 07:59)

★レポートが出ました。『すばらしいテノール、しかも最高水準の声による、様式破壊だ』.....記事に追記しました。(2009.3.2)

★ミュンヘンの篠の風様のブログ"Mein zweiter Blog"に28日の公演の様子が書かれています。とても盛り上がったいい公演だったそうです。(追記)


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♪テンポが違い過ぎ....WNOはドミンゴ指揮でした。レビューでも好評でしたよ。
 今、バイエルン国立(州立)歌劇場では、グルベローヴァ主演の《ルクレツィア・ボルジア》を上演中だそうですが、ジェンナーロ役のパヴォウ・ブレスリク(Pavol Breslik 1979年生)の代役で、急遽28日だけ、ヴィットリオ・グリゴーロが出演することになりました。クリストフ・ロイの演出ですから写真を見れば分かりますが、あの《ロベルト・デヴリュー》路線の演出のようです。

★2009.2.28のキャスト
指揮者: Bertrand de Billy
演出: Christof Loy
舞台: Henrik Ahr
衣裳: Barbara Drosihn
振付 :Thomas Wilhelm
照明: Joachim Klein
合唱: Andrés Máspero

Don Alfonso: Franco Vassallo
Donna Lucrezia Borgia: Edita Gruberova
Gennaro: Vittorio Grigòlo
Maffio Orsini :Alice Coote
Jeppo Liverotto: Bruno Ribeiro
Don Aposto: Gazella Christian Rieger
Ascanio Petrucci :Christopher Magiera
Gubetta: Steven Humes
Oloferno Vitellozzo: Erik Årman
Rustighello: Emanuele D'Aguanno
Astolfo :Christian Van Horn

The Bavarian State Orchestra
The Chorus of the Bavarian State Opera
(公演日程:2月23,28, 3月5,10,15日)

 2月23日のプレミエは、ライヴ放送されましたので、ジェンナーロの1幕の部分の音声ファイルをアップします。グリゴーロのジェンナーロは非常に好評でしたので、WNOの放送を首を長くして待っているんですが、まだなので、ほんのちょっとしかないのが残念です。それに合わせて、パヴォウ・ブレスリクのもちょっとだけです。若くて見栄えのいいジェンナーロはめったにいませんので、比較してみたくなります.....グルベローヴァがはじめてルクレツィア・ボルジアを歌った時のジェンナーロは、ホセ・ブロスだったんですが、ずいぶんタイプが違うジェンナーロじゃないですか。

 ブレスリクはグリゴーロより2才年下ですので、今後のレパートリーはどのような方向で行くのか分かりませんが、今のところ、モーツァルト歌手なんでしょうか....若くて容姿も良くて有望な歌手であることは間違いないのでしょうが、私は、けっこう前から、なんとなく放送とかで見聞きしていますが、まあ、特別な何かを感じるには至りませんでした。

 上のブレスリクのジェンナーロの上半身裸ですが、これは、1幕としか思えませんが、なぜシャツを脱いでるんでしょう.....グリゴーロのジェンナーロは、毒を盛られて死ぬ場面で上半身裸でした。グリゴーロの方が、身体がひきしまっていますね。ブレスリクはお腹のあたりが、グリゴーロのような「スポーツマン的外見」とは言えない.....。グリゴーロは、筋トレはしてないそうですが、オペラに出演していないときは、スポーツにいそしんでいるんでしょうね.....

 そういえば、パヴォウ・ブレスリクの《イドメネオ》もありました。この記事で紹介しています。変な演出でいただけませんでした。レパートリー的にはライナー・トロストと似たタイプですね。


★レポート:Düsterer Triumph – Edita Gruberova in Christof Loys Münchner „Lucrezia Borgia“
彼女(グルベローヴァ)がこのように絶好調でありえたということは、共演者もまた負けていられなかったわけだ。いやらしい夫ドン・アルフォンソ役Franco Vassalloはバリトンらしい威厳と品格があり、Alice Cooteは完璧でない部分がちょっとだけあったけど、豊かなメゾだったし、Vittorio Grigòloは非常に熱いジェンナーロだった。この役は確かにプッチーニの英雄的なテノールと時に混同されるようで、ついにはヴェリズモ的泣きをもおそれなかった。すなわち、すばらしいテノール、しかも最高水準の声による、様式破壊だ。
純粋主義者に誉められるより、一般の観客を沸かせることの方が難しいと思います。「すばらしいテノール、最高水準の声による、様式破壊」....これはグリゴーロの意図するところで、最高の褒め言葉だと思います。
ミュンヘンの篠の風様のブログ"Mein zweiter Blog"にも「プレミエより....今夜の観衆は彼のせいばかりでもないだろうが終始凄い湧きようで....」という記事がありました。篠の風様からは「彼は追いかける価値のある歌手だと思います。」という嬉しいコメントをもらいました。なにしろオペラのプロで、数々のソリストに接していらっしゃる方ですから。
やっぱり、グリゴーロは、共演者にもいい影響を与えるんですね。グリゴーロのゲストブックとフォーラムにも、ご覧になった方の「素晴しかった...」というコメントが寄せられています。どうやら一晩でミュンヘンの観客の心をつかんだようです。


関連記事:
ワシントン・ナショナル・オペラ《ルクレツィア・ボルジア》全記事
WNO《ルクレツィア・ボルジア》舞台写真:グリゴーロのフォト・ギャラリーより転載写真

《イドメネオ》アルバーチェ:ミョン・フン指揮☆超難しげなアリア MP3

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コメント 6

babyfairy

こんにちは〜、こちらの記事にトラックバックさせて頂きました。
オリジナルキャストのテノールも若手美形系なんですね。ジェンナーロは美男と言う事だから、やっぱりこうでなきゃ。彼はいわゆる北欧の美青年系ですかね? 私は昔は北欧の美青年が好みだったけど、イタオペにハマって以来、熱いラテン系が好みに変わりました^^;。
by babyfairy (2009-03-01 18:55) 

keyaki

ブレスリクは、スロヴァキアのブラチスロヴァ出身のようです。今のところドイツをメインに活躍しているようですが、来来シーズンはメトでコジのフェランドを歌うようです。やっぱりモーツァルト歌手路線なのかな....
高音もそれほど得意というわけではなさそう..みたいなことをチラとどこかで見ました。
容姿も歌唱もワクワクドキドキ感に欠けるところがありますね。
by keyaki (2009-03-01 21:08) 

euridice

こんばんは〜
>ブレスリク
ドヴォルスキー兄弟と同郷ということですね。
ベルリン国立歌劇場来日公演の「ドン・ジョヴァンニ」でオッターヴィオ、
同「トリスタンとイゾルデ」では若い水夫の声だったのですけど、
残念ながら記憶に残っていません・・グリゴーロに比べれば決定的に
華欠如でしょうね。
by euridice (2009-03-02 20:55) 

ペーターのファンです。

聞き比べてみましたが、比べるのがちょっと無理だったような。プレスリクは声は悪くないけど魅力は足りないタイプですね。上の写真のボディは見せないほうがよかった気もします。まあ、グリゴーロが別格なんですね。
by ペーターのファンです。 (2009-03-02 22:10) 

keyaki

euridiceさん
>ドヴォルスキー兄弟と同郷
かなりタイプが違いますね。ブレスリクはポーランドっぽいですよね。

>ベルリン国立歌劇場来日公演の「ドン・ジョヴァンニ」でオッターヴィオ、同「トリスタンとイゾルデ」では若い水夫の声
そうでしたね。あの頃は、きっとベルリンの研修生というか専属でお勉強中だったんでしょうね。
今は、ミュンヘンで専属かもしれませんね。

>グリゴーロに比べれば決定的に華欠如
同じ実力でも、スターになるかどうかは、これにかかってますね。


by keyaki (2009-03-03 10:35) 

keyaki

ペーターのファンさん
きっとミュンヘンの観客は吃驚仰天だったんでしょうね。
彼のゲストブックにもドイツ語でメッセージが寄せられています。

プレスリクは、数年前にドイツのオペラ雑誌で一番有望なオペラ歌手に選ばれたそうです。容姿も悪くないし...ですけど、きっとライナー・トロスト路線のモーツァルト歌手だと思います。

それにしても、なんの根回しもなく、いきなりの代役で、劇場を沸かせるって、やっぱりスターなんですね。
by keyaki (2009-03-03 10:40) 

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