SSブログ

グリゴーロのチューリヒ歌劇場デビュー大歓呼で迎えられる [ランメルモールのルチア]

※本館に《ルチア》の記事『エドガルドの"Son tue cifre? A me rispondi"パヴァロッティ、M.アルバレス、グリゴーロ』をアップしました。
*******************************************

★28日は代役になりました.......(2008.9.27.00:40)
※また、もう一つレビューが出ました。フランス語です。多分絶賛ですよね。(2008.9.19)
※レビュー追記しました。今までのレビューすべて絶賛です。(2008.9.17)

《ランメルモールのルチア》チュリーヒ歌劇場 9月14,16,18,20,23,25,28日,10月3日 //12月26,28日
ネロ・サンティ指揮
ダミアーノ・ミキエレット演出
パオロ・ファンティン舞台美術
カルラ・テーティ衣裳

キャスト
ルチア:エレーナ・モシュク
アリサ:Katharina Peetz
エドガルド:ヴィットリオ・グリゴーロ
エンリコ・アシュトン:マッシモ・カヴァレッティ
ライモンド:ラズロ・ポルガール
アルトゥーロ:Boiko Zvetanov
ノルマンノ:Boguslaw Bidzinski
チューリヒ歌劇場:キャスト等詳細

ヴィットリオ・グリゴーロのエドガルド・ロールデビューとチューリヒ歌劇場デビューの《ランメルモールのルチア》はじまりました。
ご本人が14日のプレミエ無事終了のメッセージを残していますが、元気そうでなによりです。全8公演、10月3日の楽日まで長丁場の上、間に《チューリヒ中央駅の椿姫》が入りますので、緊張の連続でしょうが、持ち前のエネルギーと自信で乗り切ってくれるでしょう。

★初日のレビュー:Opernhaus Zürich / Lucia di Lammermoor グリゴーロと"Fazit"の部分を抜粋:
若くて見栄えのよいテノールのヴィットリオ・グリゴーロの大いに期待されたデビューは大歓呼で迎えられた。なんという才能、なんという美しくすばらし声、なんという輝かしさ。彼は役に熱く没入していた。役者としてたぐいまれなすばらしさだった。2幕のフィナーレは彼の筋骨たくましい上半身を披露して、女性ファンを大いに喜ばせた。しかし、ダイヤモンドはまだいっそう磨かれる必要があるし、劇場の規模に声量を適合させることに習熟しなければならない。ところどころで、彼の歌は共演者たちを圧倒した。彼の声が、恒常的な絶え間ないフォルテに耐えうるかどうかに将来がかかっている。もちろん将来は約束されている。
結論:
この公演は今までの公演の質をはるかに上回るといったものではなかった。このすばらしいオペラをほんとうに感動させるものにはなっていなかった。エレナ・モシュクは、この難しい題名役として抜きん出ていた。
新しいタイプのオペラ歌手の出現をどの歌劇場でも大歓迎しているということだと思います。べた褒め状態、嬉しいですね。

★レビュー(2008.9.17) NZZonline:Bühne frei für grosse Gefühle 感情移入を妨げない舞台
チューリッヒ歌劇場史上、最高に成功した、最高の演奏の上演のひとつだった。(略)
歌手及び俳優の目玉商品
チューリッヒ初出演のイタリア人テノールのヴィットリオ・グリゴーロは、燃え盛る情熱そのものだ。あまりにも情熱的なので、時にその音色に含まれる、魅力的で、中身が詰まった感動的で表現力豊かな声のことを心配してしまうほどだ。
ローランド・ビラゾンの跡を辿る新たなスターが輝いているようだ。そして、グリゴーロが、その貴重な素材を前者と同じように大切に扱うことを望みたい。エドガルドのようなベルカントの役にとって、その声はすでにかなり重い。間もなく、チューリヒ中央駅の椿姫でのアルフレードといったヴェルディの役が聴けるだろう。マリアンネ・ツェルガーフォクト Marianne Zelger-Vogt
おぉ、ジュネーヴ大劇場の《ドン・カルロ》も絶賛状態だったそうですが、やっぱり、冷静な批評家さんも興奮させてしまう魅力があるようです。感情表現豊かに情熱的に歌うと歌手生命を縮める...とも言われますが、先のことを考えて、機械的に楽譜通りに歌う歌手は、オペラ歌手とはいえないでしょう。ビリャゾンとは比べて欲しくないですけど、この評論家さんには同じタイプに見えたということでしょうか。ビリャゾンは人気があることは確かですが、私は特別魅力を感じないです。

★レビュー(2008.9.16):Die Welt in Schieflage
チューリヒ歌劇場初出演のテノール、ヴィットリオ・グリゴーロが非常に美しい音色の声を持つまさしく激情の塊であることをアピールするとき、私たちの心は時にかき乱され、時に、予期せぬ微妙なこっけいさに心の傷が癒される。彼は、歌手としても、俳優としても、まさしく心に痛みを持つエドガルド役の表現語彙そのものとして舞台に登場するのだ。
更に絶賛!じゃないですか.....「エドガルドは、僕に新しいエモーションとセンセーションを与えます」とグリゴーロは語っていますが、それを表現できるオペラ歌手、歌役者なんですね。

★レビュー(2008.9.19):Début de saison prometteur フランス語のレビュー
演出のダミアーノ・ミケレットは28歳だそうです。グリゴーロについては、やっぱり絶賛のようです。(違うかな?) 美しい声、自然な力強い発声、時にメタリックで、楽々とした輝かしい高音、たしかなテクニック....(違っていたら教えて下さい)

ところで、グリゴーロはエドガルド初役ですが《ランメルモールのルチア》には、10年前に出演しています。なんの役かというと、結婚初夜に殺されてしまうアルトゥーロなんです。22歳の可愛いアルトゥーロ君だったと思います。

関連記事:
グリゴーロならではのエドガルド:チューリヒ歌劇場《ルチア》の写真集
チューリヒ歌劇場《ランメルモールのルチア》リハーサル中


nice!(0)  コメント(8)  トラックバック(4) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 8

rosina

もう一つの批評はこちらです↓
http://www.nzz.ch/nachrichten/kultur/aktuell/buehne_frei_fuer_grosse_gefuehle_1.832797.html

グリゴーロ君、昔歌ってたんですね、>アルトゥーロ
殺されたら同情出来そうなアルトゥーロだったんでしょうね、きっと。

30代前半、一番上り坂の時ですよね。中一日で連続講演+椿姫、ハードそうですが、20日にちゃんと歌ってくれる事を祈っています><


by rosina (2008-09-17 01:30) 

rosina

また書き忘れました。 トラックバックよろしく御願い致します。
by rosina (2008-09-17 01:31) 

keyaki

rosinaさん、レビューのアドレスありがとうございます。
さきほどoperacriticにも出ました。

>グリゴーロ君、昔歌ってたんですね、>アルトゥーロ
チューリヒのレビューを捜していて偶然見つけました。
ルチアはテオドシュで、劇場はメッシーナ...ってシチリアですよね。
《椿姫》でもガストーネ子爵をやってますし、こういう小さい役をやって舞台経験を積んでるんですね。

TBありがとうございます。
by keyaki (2008-09-17 01:43) 

euridice

グリゴーロに対する批評が常に「演技と声=歌」のセットで語られるところは、ペーター・ホフマンに対するものとまさしく共通していますね。

例えば、ホフマンの伝記の中には「演技的にも声的にも、僥倖である」といった表現が頻出します。
ペーター・ホフマンの演技力は、最も初期の批評においてすでに再三再四指摘されており、その度重なる強調のされかたは特徴的だったということです。

関連記事をTBします。よろしく!
by euridice (2008-09-18 08:39) 

keyaki

euridiceさん
TBありがとうございます。
久々に読みかえしてみるのもいいですね。私も面白いコメントしてますし。(笑

グリゴーロ君は、それほど数多くオペラに出演していない(選んでいるんでしょう)のですが、今まで、重要な役、ネモリーノ、マントヴァ公爵、フェッランド、ボエームのロドルフォ、アルフレード、ドン・カルロ、すべて評論家にも好評(セガリーニ以外はね)で、確かに、「演技と声=歌」のセットで語られていますね。歌のことしか書いてないレビューも多いと思いますが、外見的にも役柄にふさわしい歌手が歌い演技をすれば、説得力があって、評論家もグリゴーロ君マジックにかかっちゃうってことかな。

グリゴーロ君は劇場から、プレミエ歌手として扱われているようですから、いい演出家たちからじっくり演技指導もあるでしょうし、非常に恵まれた環境にあるとおもいます。

歌唱だけでなく、演技力も高く評価されている、ホフマン、R.ライモンディ、グリゴーロの共通点は、運動能力が並以上ということですね。

「ホフマンのスポーツ経験は趣味的なものではなく、競技スポーツ選手として、陸上競技で、十種競技、棒高跳びを専門に、相当の成果をあげたものです。」それに軍隊ではパラシュート部隊ですものね。

ライモンディは、全国ジュニア(バレーボールかバスケット)の選手だったので、それを理由に、サンタ・チェチリア音楽院では、体育の授業をボイコット、そんな時間があるなら、ローマ歌劇場にもぐり込んで、リハーサルを見学するほうが重要なんちゃって....小生意気な生徒だったようですね。
フェニーチェで出会った、演出家のファジョーニも、ライモンディは、スポーツ万能だから、ものになる...と思ったと言ってますものね。

グリゴーロ君は、レーサーとしても有望だったそうですし、運動神経抜群みたいですね。
歌がうまくても運動神経のない歌手は、オペラ歌手には不向きだとおもいますよ。
by keyaki (2008-09-18 21:29) 

ふくきち

テオドッシュウがルチアを歌ってたんですか。
イメージがわきませんが、どんなルチアだったんでしょうね~。
アルトゥーロは、結構いい歌手が歌うケースが多いような気が。
その公演のときは、
エドガルドよりアルトゥーロのほうが二枚目だったのかな…(笑)

by ふくきち (2008-09-20 02:48) 

keyaki

ふくきちさん
今のテオドッシュからはね....でも若い時のグルベローヴァみたいでかわいいですよ。
ここ、ここ↓
http://jp.youtube.com/watch?v=JrSyyeLK72A&feature=related
この演出は、フィレンツェ五月音楽祭来日公演と一緒みたいですよね。
あのときは、ダブルキャストで、グルベローヴァとデヴィーアだったんじゃなかったですか?

>エドガルドよりアルトゥーロのほうが二枚目だったのかな…(笑)
Antonio de Palmaなんですけど、ピエロ・デ・パルマは脇役で有名ですけど、アントニオの方は、画像検索しても出て来ないんです。

ラ・ヴォーチェのM.アルバレスのエドガルドの時は、中鉢さんでしたよね。

by keyaki (2008-09-20 09:08) 

ふくきち

テオドッシュウ、わりと可憐に歌ってますね(笑)
by ふくきち (2008-09-21 01:15) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 4