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《ボエーム》ロドルフォ:若い歌手たちの公演 ☆VideoClip [ボエーム La Bohème]

★News!NPRの "World of Opera," で全曲試聴(オンデマンド)できます。(2008.10.11追記)

プッチーニ作曲"ボエーム La Bohème " 2007年9月15〜30日 ワシントン・ナショナル・オペラ開幕公演



エマニュエル・ヴィローム Emmanuel Villaume指揮
マリウシュ・トレリンスキ Mariusz Trelinski演出
(新演出 ポーランド国立歌劇場との共同制作)

キャスト:
ミミ:アドリアーナ・ダマート
ロドルフォ:ヴィットリオ・グリゴーロ
ムゼッタ:ニコーレ・キャベル
マルチェッロ:ヒュン・ユン
コッリーネ:パオロ・ペッキオリ
ショナール:Trevor Scheunemann
ブノア:Jeffrey Tarr
アルチンドロ:Michael Nansel
参考:2007年9月15, 17, 19,20, 23, 25,27,29,30日全9公演
Mimì:Adriana Damato(15, 17, 20, 23, 29)/Sabina Cvilak/(19, 25, 27, 30)
Rodolfo:Vittorio Grigolo(15, 17, 20, 23, 29)/Arturo Chacón-Cruz(19, 25, 27, 30)
Musetta: Nicole Cabell(15, 17, 20, 23, 29)/Alyson Cambridge(19, 25, 27, 30)
Marcello : Hyung Yun(15, 17, 20, 23, 29)/Luca Salsi (19, 25, 27, 30)
Colline :Paolo Pecchioli(15, 17, 20, 23, 29)/Günther Groissböck (19, 25, 27, 30)
Schaunard :Trevor Scheunemann15, 17, 20, 23, 29)/Nathan Herfindahl(19, 25, 27, 30)


★レビュー:Heartbreak Hotel(Kate Wingfield 2007.9.20)
 小道具を極端に使いすぎるということはなかったし、プッチーニの曲のすばらしさだけが注目されるということもなかった。ロドルフォとミミが、春が来るまで一緒にいようと約束する、3幕の二重唱を歌うとき、二人の声は時空を超えて、何とも言えないほど美しい完璧な音楽だった。衣装や舞台の上のこまごまとしたがらくたはもはやどうでもよくなる。
 このような瞬間は、ロドルフォ役のヴィットリオ・グリゴーロとミミ役のアドリアーナ・ダマートのすばらしい歌唱なくしては、得られなかったに違いない。グリゴーロは、どの場面でも、そのばたばた感は、まるで釣り針にひっかかった魚といった具合に、ひどくずうずうしいかみつき屋だったが、幸いなことに、歌うときには、鎮まり、落ち着いた。実際のところ、彼が歌うとき、全てが許せた。粗野な力強さと気高さの両方を同時に感じさせるという魔法のような響きを備えた豪華絢爛なテノール声だ。高音はまさに至福、無上の幸福、喜びだ。(2009.2.16追記)

★レビュー: La Bohème, Washington National Opera, 9/17/07(Tim Smith)
 キャストは終始、その人物像を効果的に表現した。クロスオーバーでも大いに前途有望、高い市場価値に生まれついた、イタリア人テノール、ヴィットリオ・グリゴーロは、9月17日、ケネディセンターオペラハウスで、その演技力と声の浸透力の両方で、最高の感銘をもたらした。彼の演じる愛すべきロドルフォは、激しさと傷つきやすさを兼ね備えていた。その声は、楽々とではないにしても、プッチーニの旋律線のうねりにしっかりと乗っていた。 "Che gelida manina" はデリケートなニュアンスにあふれていて、ものすごく新鮮に響いた。(グリゴーロは、ルチアーノ・パヴァロッティが死ぬ数ヶ月前に、この名高いテノールと一緒に、この役を準備した)ミミ役のアドリアーナ・ダマートは1幕と2幕では、歌は慎重で面白みがなかったし、動きもグリゴーロのような自然さに欠けていた。しかし、声はその後だんだんよくなって、感動的で情熱的になった。女優としても次第によくなって、フィナーレでは強い哀感を感じさせるに至った。(2009.2.16追記)

********************************************

 やはり、ポップスのCDを出しているということで、叩く評論家?がいるんですね。
"Washington National Opera: La Ho-Hum(並の、つまらない)"のCharles Downey氏、演出も歌手もけなしまくり....演出についてはともかく、歌手についても、偏見と悪意に満ちた記事を書いています。抜粋要約で、ちょっと紹介します。
grigolo_damato_2007wno.jpg 『演出について、新解釈とかで現代に無理矢理押し込むのはやめて、新しいオペラをつくるべきだ...
グリゴロとムゼッタ役の歌手は、身体的かっこよさを良いことにくだらないソロアルバムを出しているが、確かにかっこよかった...(といいながら)、それにしちゃミミ役がスーパーモデルみたいじゃなかったのはおかしい....
そら出た! クラシック純粋主義...それにしても支離滅裂
外見の良さのために音楽を犠牲にしても良いのか?!グリゴロについては、なにしろポップシンガーが副業であるということから判断して非常に危惧していたのだが、思ったほどは悪くなかった。(すくなくともイル・ディーヴォに誘われたのを断る程度の知性はあったわけだから)ロドルフオに必要な高
音が出せる。美しい響きをずっと維持できるだけの力はないにしても。このことがプッチーニは最重要である。オーケストラと重なる部分で低音が聞こえなかった。
イル・ディーヴォに対して、すっごく失礼だし、クロスオーバーというジャンルを認めないってことなんですね。
パパロッティに教わったってことがご自慢だけど....
自慢というか事実だし、なんか嫉妬の固まりみたいなひとですね
外見でキャストを選んだら、それはもはやミュージカルであって、オペラではない。若い人をオペラに呼ぶのではなくミュージカルに招くだけのことで、かえってオペラファンを追い払うことになる。
...........?????
右の写真の左端がマルチェッロですが、このヒュン・ユンについては、ちびだかちんちくりんだかってけなしてます。矛盾してますね。

Charles Downey氏が嫉妬するのもわかるなぁ...→Yutube
このCharles Downey氏、毒舌を自認しているらしく、この記事を読んで不快だったら下記のレビューを読んでね、とリンクしています。こちらは、グリゴーロに好意的。
'La Bohème,' Updated and Nearly Undone

その他の記事:
★紹介記事'La Bohème,' Shining in the Sun
★レビュー:Buzz over a startling 'Boheme' ヴィットリオ・グリゴーロに関しては好意的
★ワシントンポスト:Schools Will Get Opera Simulcast
★WNO開幕公演にあたってのインタビュー記事:うっかりリンクを消してしまいました。今捜しています。
★パヴァロッティのこと:Young tenor recalls recent mentoring from Pavarotti
(2008-06-15 22:48:22)


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りょー

こんにちは、遊びにきました。
keyakiさんの突っ込み面白いです!

あら、ミミはダマートちゃんなんですね。
私は彼女の歌も外見も、けっこう好きですよ。

ところで、グリゴーロは、オペラは年間3本って契約したんですか?
もっと歌ってますよね?
by りょー (2008-06-15 23:43) 

keyaki

りょーさん、いらっしゃいませ。
>あら、ミミはダマートちゃんなんですね。
そう、チューリヒのスティッフェリオの彼女ですよね。

このけなしまくりの人、容姿で選ぶのは、おかしいとかいいながら、マルチェッロの韓国人歌手のことは、ちんちくりんで、なんでムゼッタが惚れるのかわからん...とか言っちゃってますよね。

オペラを年間3本以上は歌いたいってことなんでしょうね。
2007年は、4月椿姫、9月ボエーム、12月メリー・ウィドウで3本、
2008年は、3月ジャンニ・スキッキ、6月ドン・カルロ、9月椿姫(多分DVDになる)、11月ルクレツィア・ボルジアで4本
オペラの合間に、ヴェルディのレクイエムとかロッシーニのスタバト・マーテルとか歌ったりもあるようです。

そう、そう、検索で、りょーさんの記事がまたまたヒットしたんですけど、グリゴーロの出演するドン・カルロの放送があるという話題でした。
ドン.カルロはどうなんだろう、叩かれそう.....
エリザベッタは、知らないソプラノに変更になってますけど、当初はドマスだったんですね。
ジュネーヴ大劇場もテレビ放送することが多いんで、もしかしたら、見られるかな?

by keyaki (2008-06-16 00:37) 

euridice

出た、出たコチコチ原理主義評論家というところですね。

>この記事を読んで不快だったら下記のレビューを読んでね
ここのとこ、誤解しちゃいました。
「僕も厳しいけど、それほどでもない。もっと厳しい批評もあるよ」ってことかと
思って行ってみたら、開けてびっくり好意的な批評。なるほど、勉強になりました。「うちのが美味しくないと思う人は、お隣で食べてください!」というわけですね・・ これぞ「言論の自由」「意見は意見」ってことでしょう^^+
by euridice (2008-06-16 08:44) 

keyaki

euridiceさん
私も、これ以上に感じ悪〜い記事は、読みたくないな..と思って、クリックする気がしませんでした。
オペラ歌手って、特殊ですよね。役柄にピッタリの容姿だと、あらさがしされるかんじがしますね。
by keyaki (2008-06-16 20:23) 

roshina

keyakiさん、

椿姫さまの所から、飛んで参りましたが、ブログが変わったのですか?
確かに声や歌が酷かったら姿形が良くても駄目だけど、オペラ歌手の見た目が良くて何が悪い! 未だにこういう頭の人も居るんですね〜。 

それにこの批評家、クロスオーバーだけでなく、ミュージカルをバカにしてますね。厳しいんじゃなくて、偏狭なだけじゃないですか。


by roshina (2008-06-18 09:20) 

euridice

>嫉妬するのもわかるなぁ...→Yutube
いいですね・・冷たい手(でしたっけ?)というアリア
好きじゃないんですけど、ほろりとしちゃいました^^;;
by euridice (2008-06-18 19:33) 

keyaki

rosinaさん、ここは、まあ別荘なので、ライモンディメインのは今まで通りです。どちらもたまに覗いて下さい。

>ミュージカルをバカにしてますね。厳しいんじゃなくて、偏狭なだけじゃないですか。
ほんとです。シェピは、ミュージカルで有名になるのが夢だったそうですけど、うまくいかなかったようです。バスじゃちょっと無理かも.....でもピンツァはけっこうミュージカルでも成功したようですね。
by keyaki (2008-06-19 00:43) 

keyaki

euridiceさん
けっこういいでしょ。でも音が悪すぎだし、写真がぼやけてるんで、作り直そうかと思ってます。
by keyaki (2008-06-19 00:45) 

Sardanapalus

別荘初コメントさせていただきます。こちらもRSS登録してもいいですか?(って既にしてますけど^^;)"Bedshaped"を歌っているグリゴロ君、これからも応援したいです。

それにしても、こういう偏屈で深みが無くて断言的にこき下ろす批評家はどこにもいますね。イギリスにもいますよ…気に入らない歌手や演出については叩きまくるオペラ批評家が。まるで自分の価値観が至高のものであるかのように書くので、読むたびにうんざりします。第一、ミュージカルやポップスやクロスオーバーがオペラより下等だと思っていること自体が馬鹿みたいですね。

>ピンツァはけっこうミュージカルでも成功
ロジャース&ハマースタイン作「南太平洋」のブロードウェイ初演で主役を勤めて大成功だったんですよね。ミュージカルにしては音域の低い役なので不思議に思っていたんですけど、ピンツァが演じたということを知って、納得しました(^^)今度ディーマが歌うとか歌わないとか…?今話題になっている演出なのか、新演出なのか知りませんが、女優スカーレット・ヨハンソンと共演か!?なんて一部で騒いでますね。
by Sardanapalus (2008-06-19 01:05) 

keyaki

Sardanapalusさん、ようこそ、いらっしゃいませ。
RSS登録ありがとうございます。
グリゴロ君、なんか面白そうですよね。

>今度ディーマが歌うとか歌わないとか…?
率直に言わせてもらえば、やめたほうがいいとおもいます。柄じゃないでしょう....
ライモンディも若い頃にブロードウェイでピンツァが主役を張って4年連続公演した「南太平洋」をやらないかとさそわれたそうですよ。30そこそこの時のことですからね。
by keyaki (2008-06-20 03:10) 

助六

ファイアフォックスにしたら、早いし、ブリーフケースも開くようになって快適ですね。

グリゴーロはkeyakiさんのお陰で初めて注意しました。実演聴いたことないですけど、upされてるアルバーチェ、ロドルフォ、アルフレード、カミーユを聴いてみましたが、ネット音声から推察できる限りでは、ロドルフォでさえ緊張感が高く、4役すべて強調感が強い印象を受けました。

それで、あの毒舌のセガリーニ先生が、フェニーチェの監督降りてヒマが出来たのか、ネットで批評活動を再開してるのについ最近気が付いたんですが、ボローニャの「三部作」のグリゴーロ評して、「声を無理強いして叫び声上げるテノリーノのリヌッチョは受け容れがたい」とか相変わらずですわ。
ただ小生の印象も正直なところこれと遠からないんですが。

セガ先生はスカラ「マクベス」の大野氏も粉砕、まあこれはコリエーレ紙もそうでしたけど。

セガ先生のサイトには、「あんたほど出来る批評家は世界でも少数。戻ってきてくれて嬉しいわ。あんたさんがいなくなってから「オペラ・アンテルナシオナル」誌は噛み応えゼロ」なんてのと並んで、「毒蛇セガリーニの毒舌がまた戻ってきたか。あんたの言ってることに一理はあるがな(ボローニャのアラーニャ一家版『オルフェオ』コキ下ろし)。今度は歌い手の方からあんたをコメントさせてもらうぜ。」なんてコメントが付いてて笑ってしまいましたが。

by 助六 (2008-06-23 08:26) 

助六

「三部作」は、ボローニャじゃなくてスカラでしたね。

リンク張り忘れ:
http://qobuz.com/blogs/sergiosegalini/
by 助六 (2008-06-23 08:56) 

keyaki

助六さん
そうなんです。エクスプローラーとの差は歴然としてます。
マイクロソフトもそろそろやきがまわったかな、と思ってます。

>強調感が強い
確かに...私も感じます。でも、オペラって最低限、聞こえるということが必要なんで、経験不足からのりきみみたいなものもあるのかと。実際に若い役をやってるので、それが若さにつながるみたいなこともあるかな、とおもいます。前向きに考えれば、ボチェッリのように、聞こえなぁ〜い!と言われるのが、オペラ歌手としては、一番辛いところだと思います。
一番自然なのは、カッシオですね。(笑

>「声を無理強いして叫び声上げるテノリーノのリヌッチョは受け容れがたい」
セガリーニだけでなく、そういう批評もありましたよ。
次は、リヌッチョのフィレンツの歌をアップする予定です。

リンク先に行ってきました。
三部作全体として、ベテランの二人以外は良くないって言ってるのかな。

3月16日に、ブーした男が一人いたが、あれはあんただろう....なんて英語のコメントがついてましたが、どこかで聞いた台詞だなぁ..(笑
by keyaki (2008-06-23 14:33) 

助六

>三部作全体として、ベテランの二人以外は良くないって言ってるのかな。

そうそうポンス、ヌッチを一応誉めてる以外は総切り!

by 助六 (2008-06-25 07:47) 

keyaki

助六さん
こういう毒舌系に叩かれる歌手は、目立ちすぎってことかなぁ...そこそこの人って、お目こぼしされる傾向があるような気がします。
叩く=注目している、ということでしょうから、無視されるよりはいいのかもしれないですが。たとえば、シェーファーが本当に歌うのかと注目していたベルリン国立歌劇場の《イタリアのトルコ人》のレビューは、タイトルロールそっちのけで、シェーファー一色ですものね。一行コメントならいい方で、全く触れてないのもありました。オペラのレビューとしてはおかしいと思いますけど。
by keyaki (2008-06-26 20:45) 

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